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萌え萌えルネッサンス

ベルリンの至宝展にあった、ボッティチェリの「ヴィーナス」。漆黒の背景から浮き上がった美の女神。打ちっぱなしのコンクリートを思わせるような床にたたずんでいる。ものすごくシンプルな構図。昔の作品なのに、不思議とモダンでシュールな感じさえする。 …

世界遺産・博物館島 ベルリンの至宝展/東京国立博物館

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ポスターは、ラファエロやら、ボッティチェリのミロのビーナスを全面に打ち出しているが、予想以上に、エジプトやら、メソポタミアやら、ギリシア・ローマに、イスラム文化、つまり非ヨーロッパものの展示スペースが多かった。ヨーロッパなんて、最後の3ブー…

資料は繋ぐ-名作と下絵・連作/東京芸大付属美術館

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id:eyckさんのpaint/noteの5/24の記事で、興味を覚えて覗いてみた。いつも丁寧な解説で勉強になります。 高村光雲の狸(ちいさな彫刻)。かわいかったですね〜〜〜。まさに飾り棚用。今風に言えばコレクター向けアイテムになれそう。 狩野芳崖「悲母観音」の…

ベルギー象徴派展/Bunkamura ザ・ミュージアム

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19世紀末の新興国ベルギーに起こった潮流。パンフレットに書いてあるキーワードを羅列すると メジャーではない、排斥されたもの。青空の下の観察よりは、部屋に篭っての夢想。逃避的で幻想的な世界。その背景には、(人類がはじめて経験する産業化のなかで進…

柳宗悦の民藝と巨匠たち/埼玉県立近代美術館

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子供向けリーフレット*1の「民藝ってな〜に?」のキーワードの項を要約すると 実用:使うことを目的に作られたもので、使いやすさがある。 複数:ふだん使うものとして、共同作業でたくさん作られ、値段の安いことも大切。 無名:特別な作家の作品ではなく、…

写真美術館・思い出し

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ちょっと前に、とある写真ギャラリーのオーナーさんから聞いた話。 写真美術館は、都の不採算事業の一つとして都知事からも名指しで指名されている(いた?ちょっと前の話なので、厳密に言うと今はどうだろうか???)ところ。素人目にも、施設の立派さの割…

写真はものの見方を どのように変えてきたか 第1部 [誕生] /東京都写真美術館

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こっちはゴッホ展とは違って相変わらず空いてるので、じっくり見る事ができました(笑)。 私は元々ハード的話は苦手なので、古典プリント技法の解説は、さっぱり分からないままだったりするのですが、それでも本でしか読んだことのないタゲレオタイプ(世界…

戦後日本画の新風−横山操と中村正義/東京国立近代美術館

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常設フロア内の小さな企画コーナー。初めて見る作品でしたが、とてもよかった。横山操は、まるで巨大な木炭で書きなぐったような、骨太の力強い、直線的なタッチ。「塔」(焼け落ちたお寺の絵)も、「ウォール街」も、それぞれ異質な風景のはずなのに、等し…

ゴッホ展/東京国立近代美術館

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その昔、オルセー美術館で体験したゴッホ部屋は、正直、私にとってはかなり恐ろしい空間に思えた。それは例えて言うなら 「ヤバイ、ヤバイ。何だか分からないけれど、かなりヤバイ電波がこの空間いっぱいに漂ってる〜〜目に見えないけれど」 そんな感じ。 こ…

写真展のお知らせ

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はてなのプロフィール欄にも公開しているホットメールアドレスに、以前から存知あげているはてなユーザーさんが参加されているというグループ展のご案内をいただく。こういうメールはうれしいものですね。 写真展詳細:http://www.h2.dion.ne.jp/~mhirai/ 横…

ミュシャ展/東京都美術館

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平日金曜日に行ったつもりなのだが、ひどい混雑。日本人はなぜこんなにもミュシャが好きなのだろうか、と改めて疑問が浮かぶ。本当は単に、この状態を自分勝手に忌々しい!と思っているだけなのだけど。ええ、私も同じ穴のムジナですが、何か? ウフィツィ美…

マルセル・デュシャンと20世紀美術/横浜美術館

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ある1つの作品を除いて「そりゃ、言いたいことは分からなくもないけど…」の世界だった。これだけ沢山の著名な作家に影響を与えたわけだから、偉大なのだとは思うけど、彼自体の作品はどうかな、という感じ。 美しい!とか、見るだけで、触れるだけで心に刺さ…

常設展示/東京国立近代美術館

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“「新版画」の世界〜伝統的木版画の再生”というコーナーがよかった。版画では数点しかないという橋口五葉の美人画はもちろんよかったが、小原祥邨(古邨)「鶯二羽と紅梅」「孔雀」が、キレイ。とくに「孔雀」の、繊細で中心から光輝くように広がる羽根の具…

痕跡-戦後美術における身体と思考/東京国立近代美術館

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解説によると 肖像画や風景画のように「何かに似ている」のではなく、「何ごとかの結果」としてのイメージ。 が、展示会テーマの「痕跡」の意味のようです。具体的には切り裂かれたカンヴァスだったり、飛び散った塗料の跡だったり、画面に残された手形だっ…

河野鷹思のグラフィックデザイン ―都会とユーモア/東京国立近代美術館 

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月並みな言葉ですが「モダン」で「全く古さを感じさせない」。NIPPON、魚をモチーフに使ったシリーズが好き。

クレア・ランガン「フィルム・トリロジー」展 /東京都写真美術館

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アイルランドの若手女性作家による映像作品3部作。ストーリーな特になく、分かりやすく言うなら凍てついた氷の海の水地獄(青)、砂砂砂の砂地獄(黄)、灼熱の炎地獄(赤)。 終わらない悪夢の中を進んでいるような、幻想的な内容。(←一般論)でも実は私、…

戸田正寿「HEIAN」展 /東京都写真美術館

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そして、作りこみの苦労が尋常じゃなさそうな作品といえば、こちら。 白木の箱にアルビノの鯉が入っているポスターを見て「コマーシャルフォトみたいな、あざといキャッチーな写真」と勝手に思っていましたが、そんな甘い作品ではありませんでした。またして…

日本の新進作家・新花論/東京都写真美術館

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新花論というテーマだけに、バラの香り漂う会場。 参加作家が4名。そのうち、2人の男性作家の作品は、キラキラ光るミラーボールのようなオブジェ?、小さな穴を覗き込むとダンシングフラワー?私には観念的過ぎて、わかりません。すいません。 櫃田珠実の作…

「田原桂一 光の彫刻」展/東京都庭園美術館

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ヨーロッパの元々美しい石像を写真に撮って、何が光の彫刻(当たり前じゃ!)と思っていましたが、そんな単純な作品ではなく。深く反省。 ロダンの、右手と右手が合わさったの彫刻。彫刻そのものをキレイの撮ろうとするのなら、石肌に合わせてライティングを…

国芳・暁斎展/東京ステーションギャラリー

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江戸時代末期の人気浮世絵師歌川国芳と、狩野派の絵師で明治初期まで活躍した河鍋暁斎の師弟対決*1。 ジーっと会場を眺めているうちに、アニメか絵のうまい漫画家の原画展を見ているような錯覚が。特定の誰かの絵ににている、というわけではなくて。やっぱり…

藤原新也写真展「フェルナンド・ペソアの午後」/新宿エプサイト

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地下鉄のフリーペーパーに連載されている、藤原新也の写真&コラムをちょっと楽しみにしている。去年末、この写真展についての経緯に関するコラムがあった。 写真展をやるにあたって写真をどう見せるのか、見せたいのか。藤原氏の熱意が伝わる文章だった。藤…

HANGA 東西交流の波/東京芸術大学大学美術館

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鎖国をしてても、意外なところで外国との繋がりが分かるものなのだなという面白い企画展。神聖ローマ帝国のマクシミリアン1世に仕えた画家デューラー*1のカバ(当時のヨーロッパでは日本の麒麟と同じく想像上の動物に等しい)が280年後の日本の版画(世界地…

野又穫:カンヴァスに立つ建築 /東京オペラシティアートギャラリー

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空想上の建築物を緻密に描いた作品群。ありそうでいて、どこにもないモノたち。宮崎アニメの背景画をもっと絵画として完成度を高めるとこんな感じになるのかなぁとか。 一番大きな展示部屋の、展示方法が面白かった。壁にかけるのではなく、天井から直接作品…

ヴォルフガング・ティルマンス展/東京オペラシティアートギャラリー

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雑誌等でおなじみの、つまり既視の写真が沢山あった。でも、初めて見るものとあわせ、大小バラバラの(本当にサイズがマチマチ!)250点もの作品を一気に観ることで初めて、なるほどなぁと強く実感できたことがある。 テンションが、何を撮っていてもほぼ同…

ベラルド・コレクション 流行するポップ・アート/Bunkamura ザ・ミュージアム

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明るく鮮やかな色使いなので、ボンヤリと通り過ぎる分には「あー、キレイ」と思えるのですが、よくよく目を凝らすとガラクタの山の中にいる気がしないでもない。(実際、ゴミを材料に作られた作品もありましたが、そういう意味ではなく。)100年後に、一体い…

2004年写真新世紀/東京都写真美術館

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やっぱり、大きく引き伸ばした展示の方がいい。いや、引き伸ばしに耐えられる中身がある作品だからいいのか。川村素代という人の、黒い服の少女と、私立小学校の制服を着た女の子のシュールなシリーズが面白かった。 審査員の方も、はっきり出てしまっている…

木村伊兵衛展/東京国立近代美術館

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この方が最初、花王の宣伝写真の仕事をしていたとは知りませんでした。 昭和6年の報知新聞に載った花王石鹸の新聞広告。その写真、あるご家庭の洗濯モノを干した風景なのですが、お家がどう見てもバラック小屋にしか見えない。今なら、現実よりもワンランク…

草間彌生―永遠の現在/東京国立近代美術館

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森美術館のクサマトリックスでは、よく分からなかった。でも、この展示会では、草間彌生をスゴイと思えた。 70年代のコラージュ作品。それぞれ別の場所から寄せ集められた素材が、一つとして浮き上がることなく、見事に混然一体となって彼女の妄想、というか…

フィレンツェ―芸術都市の誕生展/東京都美術館

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絵画作品が中心かと思いきや、壁画、柱、装飾品だけでなく当時のコインも含む金工作品、写本・細密画、織布作品、科学発明品などなど、ありとあらゆるフィレンツェ・ルネサンス的なものを並べた、ミニフィレンツェ博物館状態。 フィレンツェ好き、フィレンツ…

マティス展 プロセス・バリエーション/国立西洋美術館

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平日の昼間だというのに大勢の人人人。こんな会期終了直前ではなく、早めに行くべきでした。 思いついたこと。 1.あの赤やら黄色やらの独特の壁紙の模様その他は、妄想・イメージで描いているのではなく、モデルから小道具から何から何まで、目の前にあるも…