Art
そもそもは行く予定ではなかったのだけれど、一応、東京を離れるし記念に、と。ところが存外面白く。 特に何が面白かったって、若いころのフィルムベタ焼きとか、スケッチブックにプリントをペタペタ貼り付けたお手製アルバムとかの展示。当たり前だけど地道…
期待していたようなのは最初の部屋だけで、後はもう、消化試合みたいな展示、というのが個人的な感想。何を期待して行くか、でしょうが、私の場合、ええもう、クラナッハ、クラナッハ、クラナッハ、クラナッハですよ。(ホントに小品5点4点だけだったなぁ)…
石内都の薔薇は、やはり人肌なのだと思った。それも中年以降の人肌。 水滴をまとった薔薇の花たち。仮に秋山庄太郎の撮るそれなら、花びらはそれを弾いて、今にもコロコロと玉のように転がり出すのではないかのごとく。 けれども石内都の薔薇の水滴は弾かれ…
デビューしたての、ほんの少女だったころの後藤久美子が何かのインタビューで 「将来の夢は?」 とたずねられて 「早く、おばあさんになりたい」 というような返答をしていた記憶がある。 このやなぎみわの展示は、ガルシア・マルケスの小説『エレンディラ (…
3部まではそれなりにテーマを持ってまとめて来たこのシリーズも、最終回でいきなり、現代の有名作家総出の大グループ展になっていた。混沌というテーマで何らかの提示があるのかしらんと勝手に想像していたのだが、本当にカオスだった*1。写真展ってグループ…
アラーキーの「花曲」というシリーズは多分、見るのは3回目になるのだと思う。で、3回目にしてようやく、極めて絵画的に撮ってるんだなぁと遅まきながら気づく。絵画的というのは、奥行きが圧縮されて平面的とでも言うか。 過去二回とも10枚以上の大きな組写…
ボッティチェリの師匠リッピの祭壇画が、わざわざ教会からひっぱがされて*1やってくるというので見に行ったのですが、本当にゲージュツ物としての目玉はそれだけでありました。 それなのに中高年で凄い人だかり。なぜだ〜。それはほとんどが無料招待券でいら…
以前、ルーブル、そしてオルセーでモローの作品を間近で見て、そのディテールに恐ろしく感動した。CGのない時代に、なんというヘンテコな幻視をしていたのだろうかと。 言葉で上手く説明できないのだけれど、赤や緑の鮮やかな色彩の上に、細く黒い線(時にそ…
これも10日に終了して久しいのだけれど、大変よかったのでメモ。(書いているのは20日) 愛知万博のスペイン館との連動企画らしいこの展示。場所は埼玉近美が提供しているけれど、企画その他はスペインの方々が何から何までやっておられる様子。 スパニッシ…
写真美術館や現代美術館ではなく、近代美術館でもアート系映像作品を所蔵しているとは知らなかった。(映画はここの管轄みたいだけど) キムスージャ(韓国)の「針の女」。長い長い黒髪を後ろで一つに束ねただけの、小柄な地味な服装の女性(作者自身)の立…
既にこの日で終わっている企画展*1。でも、面白かったのでメモ。 キュビズム、それを「発明」したピカソやブラックは偉かった…のかもしれぬが、結局のところそれは1つの「様式」に過ぎないのかもしれないと痛感。 まず、最初のコーナーに置かれた静物画。ピ…
ベルリン博物館島展と違って、こちらは比較的心穏やかに鑑賞することができました。日本の有田を筆頭に、東アジアの調度品、陶磁器が数多く収集されているようですが、それらは東インド会社を通して売買、または発注を受けて作ったもののようで、探検、研究…
パリのシリーズもいいけれど、ミノートル誌に掲載するために撮ったというシリーズが一番、印象に残った。 丸めたバスの切符、芽がでて食べられないジャガイモ、残りわずかになった石鹸、などなど身の回りの目に留めることのないモノが、美しいオブジェのよう…
見に行ったのは一週間前。もう終わっている展示です。 サブタイトルが12の写真家たちと戦争。 国策のプロパガンダ(報道写真)に協力しつつも、作家として生き延びた人、前衛やモダニズムを貫いて閉塞していき、撮れなくなった人、戦争中は一切製作をしない…
まだ学校の教科書には載っていない縄文、弥生の姿をお見せします…というコピーに魅かれて、ワクワクして行ったものの。 フタをあけたら、頭に情報や知識を詰め込むというより、眼で見て、手で触れてみて、体感することに主眼を置いた夏休みの子ども企画。い…
前の秘すれば花展(東アジアの現代美術展)のときも、同じことを感じたのだけれど。 中国って、やっぱ勢いが違うなと。いや、同じ東アジア、漢字文化圏のお国だけれど、日本や韓国とは、全く違う感じが。なんというか、良くも悪くも無邪気で大らかでストレー…
中国各地から出土した、土器やら人形やら色々なものが。収蔵元も、中国各地(本当に偏狭の省まで。だってシルクロードの時代のものだから)の博物館から集めて、ここに展示されている。これを逆に、本場で行って見ようとするとなると、大変なことだと思う。 …
“アートの教科書”という副題。これは日本人の好きな印象派の有名どころの作家*1が一通り展示されてるからでしょうか。 どっちかというと、アメリカのお金持ちの趣味のいいコレクションと言った風情。健全で、居心地のいい、明るめトーンの、調和のとれた色彩…
もっとオドロオドロシイ、女の業みたいな作品をイメージしていて、それに呑み込まれないようにするぞ〜という心構え(期待)で、望んだわけですが…予想外にエレガントであっさりな作風のものが多くて、肩透かしをくらう。事前に見た美術評論家と私とは随分、…
エリザベス女王を総裁にいただく英国王立園芸協会(RHS)の、植物画コレクションを、本国でも閲覧が難しい作品を含めて大公開、だそうで。 植物を見たままに、資料として残すために描く。ただそれだけの目的だったはずなのに、なんでこんなことになってしまっ…
資生堂の創業者の息子たちの大正〜昭和にかけて撮った写真の数々。ビジネスマン兼、アーティストのお家柄なんでしょうか。しかもお金持ち。でも日本の写真史に多大なる貢献を果たした方々であるようで。また、彼らの趣味(というにはあまりにハイクオリティ…
ワタクシ、この方の子供に生まれてきたかった…。 Rico&Coco:http://ricocoblog.seesaa.net/ こんなお弁当持って遠足にいけるなんてぇぇぇ! 動物園弁当:http://ricocoblog.seesaa.net/article/4324139.html 右下のお弁当カテゴリのところをクリックすると…
ピクトリアリズム(絵画主義)の写真が数多く展示されておりました。 ヨーロッパのそれは、メイドや知り合いの娘さんにコスプレさせたり人物中心。更に、絵コンテというか下絵まで用意しての緻密な構成で作りこんで、まるで歴史画を描く感覚でディテールまで…
写真家グレゴリー・コルバートがNYで開いた展示会「Ashes and Snow 」*1のサイト: http://www.ashesandsnow.com *1:展示自体は写真だけではなく、スクリーンに映し出された映像や、音楽との組み合わせだったよう。
ルーヴル美術館は、言うまでもなくものすご〜〜〜〜い所蔵品の数を誇る世界最大級の美術館でありまして。数が多いということは、必ずしも有名なものだけがあるのではない、ということ。 ゴッホ展なみに盛況だと聞いていたこの企画展、目玉といえるものはアン…
小さな私設美術館でしたが、ことのほか面白くて、大興奮いたしました。 都市に住む、お金持ちの、家柄もよろしい、かつ家長であるお父様が比較的進歩的な考えを持っていらっしゃる*1大層恵まれた女の子、女学生(12〜17歳)たちのステキライフ展。 とはいえ…
コロー、ミレー、ルソーにクールベ。有名どころの、有名でない作品を数多く取り揃えた企画展。あ、でもこれ悪い意味ではないのです。実際に見に行ったのは、先週ですが。 バルビゾン派と呼ばれる一連の作品。フランス革命以降に発生した、当時としてはよくあ…
大変オモシロかったので感想を書きたいのですが、後回し。
ベルギー象徴派展内の数ある作品の中で、彼のは特に異彩を放っておりました。ゆえに、見に行くことに。 ベルギー象徴派展でも、中心となっていたのは「二十人会」に所属していた作家たち。「二十人会」は、当時、斬新、前衛芸術を目指した人たちの集まりだっ…