写真はものの見方を どのように変えてきたか 第2部 [創造] /東京都写真美術館

 ピクトリアリズム(絵画主義)の写真が数多く展示されておりました。

 ヨーロッパのそれは、メイドや知り合いの娘さんにコスプレさせたり人物中心。更に、絵コンテというか下絵まで用意しての緻密な構成で作りこんで、まるで歴史画を描く感覚でディテールまでばっちり写す。

 対する日本のそれはやはり日本画的、というか、朦朧体(横浜美術館の常設展の横山大観の絵で見たばかり!)の絵のごとくボンヤリとしたタッチで風景を撮影、プリントしたり、何も背景のない状態(おそらくは雲ひとつない空だけれど)に、花や木の枝の部分を大胆に切り取って撮影したり。どーしてそうなるのか。文化とは分かちがたいもの。梅阪鴬里の『けし』が印象的。

 またロール・アルバン=ギヨの顕微鏡写真も、レンズ越しに細胞レベルまで拡大されると、そこは幾何学模様の国だった、みたいな感じ。驚異の美の世界。

 すごく気に入った作品が多かったので、薀蓄を仕入れたいと言うよりも、出来るだけ数多くこれからも機会があるたびに開いて眺めていたい…という狙いで、今回の企画展のパンフレット兼、書籍になっているものではなく、過去に写真美術館で行った「モダニズムの時代」(510円)と「日本近代写真の成立と展開」(1150円)の図録を購入。