写真はものの見方を どのように変えてきたか 第4部[混沌]/東京都写真美術館

 3部まではそれなりにテーマを持ってまとめて来たこのシリーズも、最終回でいきなり、現代の有名作家総出の大グループ展になっていた。混沌というテーマで何らかの提示があるのかしらんと勝手に想像していたのだが、本当にカオスだった*1。写真展ってグループ展形式が一番、見るのが辛いと思っているのですが。

 気になったのをメモ。

 オクハラ・テツ(アメリカコーナーにあったけど、日系の方でしょうか?)「スーザン」。ヌードといえばヌードなんだけど、鯵の開きのようなヌード。いや、正確に等間隔で部分撮りしたピースを順番に再構成してったら、とんでもない姿になったような感じ。

 マリ・マール「私の愛しい娘…『私たちの間‐祖母と母と娘のことより』」。リビングのちょっとしたスペース(家族写真のフレームとか立てかけておくような)を思わせるような場所を、ミニチュア舞台のようにセッティングして、歴史と母と自分と娘にまつわるモノをシンボリックに配したシリーズ。

 嶋田美子「お茶と同情」。その脇に寄せられた解説。正確には覚えていないのだが、昔、国防婦人会が白い割烹着を制服に採用して以降、急速に中流以下の婦人の参加が増えたということを受けて、「白い割烹着という育児と家事のメタファーが、ファシズムを善意と献身の甘い衣に包む制服となる」というような表現があった。

 家事は愛、調和、献身、祈りの行動である…と、どこかの政治家が言ってたのを思い出す。

*1:一応、大まかな国別(アメリカ、ヨーロッパ、日本、その他)ぐらいの括りはあったが。