常設展示/東京国立近代美術館

 “「新版画」の世界〜伝統的木版画の再生”というコーナーがよかった。版画では数点しかないという橋口五葉の美人画はもちろんよかったが、小原祥邨(古邨)「鶯二羽と紅梅」「孔雀」が、キレイ。とくに「孔雀」の、繊細で中心から光輝くように広がる羽根の具合がなんとも。
 また名取春仙「七世松本幸四郎 髭の意休」(1929)。今の松本幸四郎(九世)と、そっくり。写真と違って、何もかも忠実に描写しているわけではないのに、特徴だけでぱっと分かってしまう。血が濃いのだなと。