ベラルド・コレクション 流行するポップ・アート/Bunkamura ザ・ミュージアム

 明るく鮮やかな色使いなので、ボンヤリと通り過ぎる分には「あー、キレイ」と思えるのですが、よくよく目を凝らすとガラクタの山の中にいる気がしないでもない。(実際、ゴミを材料に作られた作品もありましたが、そういう意味ではなく。)100年後に、一体いくつが「芸術作品」として残るのだろうか。
 ポップ・アートは、いつも空虚だと思ってしまう。有料だったら、虚しい。タダ券でよかった。
 ベルナール・ランシヤックというフランス人による『赤軍女子分遣隊』(1971)という作品は、赤と水色のコントラストが冴え渡っていた。文革バレエ『紅色娘子軍』がモチーフです。ゴダールの『東風』(1969)を連想。フランス知識人の、文化大革命に対するロマン。
 そして今年は『紅色娘子軍』40周年。文革時代に青春を送り、今や中国の金持ち層となった人々が、ノスタルジーを胸に何百元もするチケットを購入し、記念公演に足を運んでいるという現地レポートを思い出す。いやはや。フランス人アーティスト、中国人ともに心中やいかに。
 Bunkamuraを出て、必要があってドン・キホーテに入る。ドンキに入るのは、生まれてこの方3度目くらいか。
 奥に入った後、遠目に売場全体を見回してみた。限られた空間に、ひしめく商品とハデハデの値札等の貼り紙やキラキラモールで被いつくされた棚。
 これこそジャパニーズポップ・アートかなと思う。ポップアートのポップはポピュラーの意味。大衆文化、大量消費。ありふれた日用品と、分かりやすいブランド品。そして、色の洪水。狭いニッポンで、激安の殿堂が生み出した圧縮陳列