国芳・暁斎展/東京ステーションギャラリー

 江戸時代末期の人気浮世絵師歌川国芳と、狩野派の絵師で明治初期まで活躍した河鍋暁斎の師弟対決*1
 ジーっと会場を眺めているうちに、アニメか絵のうまい漫画家の原画展を見ているような錯覚が。特定の誰かの絵ににている、というわけではなくて。やっぱり、脈々と伝統として受け継がれているのかなと。庶民文化として。
 美人画。なぜ皆、同じような細い目をしているのだろう。暁斎の方には多少、個性が書き分けられているけれど、より庶民向けの浮世絵師は、本当に様式美的。
 この時代の典型的な美人像と言えばそれまでだけれど、これってある意味、今のアニメ美少女と同じじゃないか、とか。まん丸のたれ目に、萌え要素と呼ばれるものは、メガネだったりはねた髪の毛だったり、とっても様式的なもの。
 江戸時代の人に見せたら、どのアニメやゲームの美少女キャラも同じに見えるんじゃないかなと思う。今の私たちが浮世絵美人画を見て、同じような顔立ち見えてしまうのと同様に。
 国芳「宮本武蔵と巨鯨」を見て、「侍ジャイアンツ」を思い出してしまった(笑)。
 また、暁斎の桜の花びら舞い散る中、重力を感じさせない牛若丸の絵はCLAMPのイラストのよう。あああ。邪道。
 でも、何より一番魅力的だったのは暁斎「一休と地獄太夫」地獄太夫は地獄絵図の内掛けを着ているのですが、この絵の場合、地獄の様相がおめでたいモチーフで描かれている*2ところが、なんとも粋です。(でも、リンク先の画像が正直イマイチ。もっと美人でかっこいいのですが。)

*1:暁斎は、幼いころ一時期、国芳の下に弟子入りしていたから。

*2:地獄の炎は珊瑚、地獄に落ちる亡者は「寿」の文字、閻魔は寿老人など、他にも七福神が。