木村伊兵衛展/東京国立近代美術館
この方が最初、花王の宣伝写真の仕事をしていたとは知りませんでした。
昭和6年の報知新聞に載った花王石鹸の新聞広告。その写真、あるご家庭の洗濯モノを干した風景なのですが、お家がどう見てもバラック小屋にしか見えない。今なら、現実よりもワンランク上の憧れのシチュエーションを使いそうなものですが、これは恐ろしく生活感のある広告です。
その隣の花王石鹸のポスターに使用されている写真は、工場、製造現場で働く作業員、箱詰め作業をする女工さん、製品を運ぶトラックなどなど。キャッチコピーは、純度90何パーセント!(限りなく100%に近く、品質がいいという意味。数字は忘れてしまった。)無駄なく泡だって経済的!みたいな内容。
何かに似ていると考えていたら、アサヒスーパードライのCM。ビールは鮮度が命。スーパードライは工場から店頭までしっかりチェックしてますというバージョン。今の感覚では石鹸の宣伝とは思えないほど、ハードで男くさいです。