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ピカソ展 躰(からだ)とエロス/ 東京都現代美術館

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想像以上にタイトルまんまの内容でした。ピカソのエロジジイモード、フルスロットル状態。爽快なくらい。 最初の方の身体の変容と括られる展示の『寄生獣』の変形シーンみたいなのから、人間を頭からバクっと食べてしまうシーンみたいだなぁという感じの「海…

月うさぎに彼女の青春

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id:honchaus様、こちらが昨日展示されていた橋口五葉の『月うさぎ』です。 カタログの解説: 不死の薬を搗(つ)く月うさぎの画題は、7世紀には既に中国から日本に伝えられていたものだが、20世紀の初め頃、アール・ヌーヴォー様式に魅せられていた日本の画…

美しき日本の絵はがき展/逓信総合博物館

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プチ絵はがきコレクター*1としては、大満足な展示でした。 日本人ってどうしてこう小さな、制約のあるモノに多大な労力を注げるんでしょうかね。 透かしが入っていて光を通して見ると、深照灯を出す哨戒中の戦艦とか、看護婦さんの下に負傷したロシア兵が浮…

失楽園 風景表現の近代 1870-1945/横浜美術館

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金曜日は夜8時までやっているので、夕方5時過ぎにフラリと入ったところ、来場者は本当にまばら。 コーナーごとに制服を着て座ってる職員の方々の生あたたかい監視下の元、あちこちの長椅子に腰掛けては、そのたびに1〜5分間くらいうとうとと寝てしまったり。…

夢みるタカラヅカ展/そごう美術館

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タカラヅカ・アーカイブス展と言った様相の企画展です。戦前の映像から、歴代『ベルサイユのバラ』ポスターの展示とか。 更にプラスアルファとして何人かのアーティストがこの企画に向けて新作品を提供、もしくは元々持っていたタカラヅカをモチーフにした作…

生誕百年 安井仲治 写真のすべて/松濤美術館 

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ものすごく期待が大きすぎたのかもしれない。思っていたのとはちょっと違っていた。本で見た、ユダヤ人を撮った写真がとても気になっていた作家でした。 以下は、写真のことなんて全く分かってない素人の感想として。 昔の写真は当時としてはすごい技術が要…

マリオ・テスティーノ写真展/東京都写真美術館 

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ファッション写真家と聞いていてあまり期待してなかったのですが、いやー、よかった!写真を使った現代の肖像画展のよう。とにかくサイズがでかい。けれども、でかさが圧迫感にならず、心地よい。 スナップとポートレイト。ジャンルが違うけれど、以前、同じ…

色彩と幻想の画家 エミールノルデ展/東京都庭園美術館

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ポスターやパンフレットに使われている鮮やかな水彩画に惹かれて行ってみることに。 輪郭の曖昧な、色と色が交じり合う女性や花のシリーズはもちろんよかったが「描かれざる絵」と呼ばれるシリーズが、とても美しかった。 ナチスから退廃的という理由で制作…

グッケンハイム美術館展/Bunkamura

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確かに有名どころが一通り揃っておりました。カタログ的に。現代美術(絵画オンリーだけど)ってどんなものがあるんだろうか、という感じの人に向けたんだろう。それはそれでイイことだ。浜崎あゆみがイメージソングなるものを提供していたのにも納得。 カン…

幻のジャクリーヌ・コレクション ピカソ展/損保ジャパン東郷青児美術館

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予想外の人手の多さと、会場内の蒸し暑さで気分が悪くなる。 それにしても。 ピカソが芸術家としてどれだけ世の中的に偉大であるかどうかはさておき、私がイマイチ好きになれない理由が今日、やっと分かった気がした。 対象に対して、愛情が感じられないから…

鈴木 豊写真展「ガウディ 時空の神話」/コニカミノルタプラザ

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旅先で感動した光景をカメラにおさめてみるものの、プリントを見るといつも何かが違うと思ってしまう。写真はありのままを写しているはずなのだけれど。 その何かとは、うまく言葉では言い表せないのだけれど、強いて言えば「空気感」「空間感」。 その写り…

ビッグ・リバー ハックルベリー・フィンの冒険/青山劇場

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何より驚いたのは、半分も席が埋まっていなかったことだった。どおりで我々まで招待券(S席 1万2000円)が回ってくるわけだ。 全米が感動し、「この作品は常にエネルギーに満ち、温厚で、まばゆいばかりに鮮やかである」(ニューヨーク・タイムズ紙)らしい…

珠玉の近代絵画展/そごう美術館

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どこぞの文化財団コレクションということですが、冴えないタイトル通りの内容。テーマがはっきりせず、散漫な感じ。 宇田萩邨という日本画家の作品は、ワンコーナーを占めていたが、下絵ばかり。完成品はコレクションしてないならそれはそれでいいのだけれど…

エルミタージュ美術館展/江戸東京博物館

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高校生の時に友人が貸してくれた漫画『女帝エカテリーナ』。作家は池田理代子。よって、かなりドラマチックに脚色されてる疑いが濃厚で、実際はどうだか分かりませんが、読み終わった直後、田舎のアホ女子高校生にこぶしを握り締めさせて 「私も天下、取った…

ウィリアム・クライン『PARIS+KLEIN』写真展/東京都写真美術館

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パリをパチパチスナップしてるわけなのですが、エッフェル塔が写っているわけではなく、人、人、人ばかり。普通のおばあちゃんから大統領、ファッションデザイナー、ホームレス、社交界デビューのお嬢様、デモ学生、アラブ人、黒人、中国人、ゲイの人まであ…

前衛画家の大きな冒険 瑛九/松涛美術館

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抽象画は、あまり好きではない方なんですが、瑛九という人の丸や点の絵は、近代美術館の常設展で初めて見て以来、気になっていて。 最晩年の3年間に描いた油絵の大作がメインで、それらが天井の高い松涛美術館のゆるやかな半円のカーブを描く壁面に、それほ…

世紀の祭典 万国博覧会の美術/東京国立博物館

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再考 近代日本の絵画展( http://d.hatena.ne.jp/a2004/20040612)の「博覧会美術」の部分にフォーカスしたような企画。 ハッキリ言って外国に売るための商品としての美術品なので、伝統工芸品としてはあり得ないようなデザインのものがうじゃうじゃと。外人…

ノンセクトラディカル 現代の写真Ⅲ/横浜美術館

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ちょっと期待ハズレ。もちろん、これは私がそうだっただけのことで、世の中の評価は違うのかもしれない、とは思う。 露口啓二という人の、地名と写真シリーズはなるほどと思った。北海道の地名はアイヌ語の音が元になっているところが多いが、使われる漢字は…

オーストラリアの現代写真展 世界は歪んでいる/東京都写真美術館

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世界は歪んでいる…よりも、英語のサブタイトル、Supernatural artificialの方がしっくりくるように感じるなぁと。超自然。自然の延長線上の不自然。人工。ストレートなスナップ写真ではなく、どれも何らかの作りこみがある。デジタル加工も、当たり前の世界…

野口里佳展 飛ぶ夢を見た/原美術館

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彼女のことは直接は知らない(>当たり前)なのだけれど、こんなことがあった。 写真ワークショップの講師の人が言った。 「女性写真家って言うのはさ、女としての生き様とか、女性特有なものをウリにしてる人が多くてそれやると簡単に世間に受けるからさ、ず…

マン・レイ展 まなざしの贈り物/ハウス・オブ・シセイドウ

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マン・レイが生活費を稼ぐために(つまり、彼の芸術活動としてではなく)撮ったファッションフォト展。 モードも写真も彼の時代からはそんなに変わらない、というか既にあのくらいの時代に基本は完成してて、後はニュアンスとかディテールとかが違うだけとい…

「Water Falls−落ちる水−」十文字美信展/資生堂ギャラリー

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連日のこのうだるような暑さの中、もし銀座を訪れることがあるならば、このギャラリーに入って一服の涼をとるのもいいかもしれません。ひんやりとした地下のだだっ広いスペースに浮かぶ巨大なモノクロの滝と滝の音。池、葉っぱ、自転車…ありとあらゆるモノの…

アートがあれば WHY NOT LOVE FOR ART?/東京オペラシティアートギャラリー

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uli(id:aspirin)さんの日記(id:aspirin:20040702#p2)を読んで面白そうだと思い、行ってみました。9人のコレクターごとのスペース展示と、ここのアートギャラリーでコレクターからの委託を受けている作品専用フロアで構成されたプライベートコレクション展…

栄光のオランダ・フランドル絵画展/東京都美術館

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私は時々、展示会のチケット売場の近くで、年配の方から「余ってるからあげますよ」と声をかれられて招待券をいただくことがある。 今日のこの絵画展は知人から招待券を2枚貰っていたのだが、いっしょに行く相手に振られてしまった。残念。しかし、今までの…

再考 近代日本の絵画/第一部:東京藝術大学大学美術館 第二部:東京都現代美術館

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1900年から2000年にかけて製作されたものを中心に約650点もの作品を上記2会場に分けて展示、日本の絵画100年の歴史を振り返るというもの。サブタイトルが「美意識の形成と展開」。この「美意識」を「キレイ、素敵!と思う基準」なのだろうかとボンヤリと考え…

開館一周年記念 ルオーとイコン〜描かれた聖像〜/松下電工NAiSミュージアム

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タイトル通り、松下電工の所蔵品中心のルオー半分、玉川学園所蔵の中世ロシアが中心のイコン半分という展示。万人向けではないかもしれません。しかし、私もそうですがルオー大好きな人にはオススメです。個人的には、モノトーンの版画集「ミセレーレ」をま…

奈良原一高 時空の鏡:シンクロニシティ展/東京都写真美術館

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昨年、PGIというフォトギャラリーでこの方の個展を見る機会がありました。何の予備知識もなくそのコンピュータを駆使した作品群を見て、不遜にも「ありがちでつまらない」と思い、それっきり忘れていました。 昨日、写真美術館に行って初めてその「つまらな…

-明日のために-日本のドキュメンタリー写真家/東京都写真美術館

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1960年代から今日まで、現在も活躍中の14人のドキュメンタリー写真家の展示。 隣り合わせにアフガニスタンという同じテーマで、かつカラーの展示がありました。ほとんどの展示がモノクロなのでこのコーナーはタダでさえ目立つ反面、一つの展示のようにも見え…

 椿会展2004/資生堂ギャラリー

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どれも本当はすばらしい作品なのかもしれないけれど、各人の作品をただ空間に一つ二つ置かれても?って感じ。そんな中でも堂本右美さんの単純化した芥子のつぼみのようなモチーフを力強い線で描いたシリーズはよいなぁと思ったのだが、なぜか激しい既視感。…

足立美術館の魅力展/横浜高島屋ギャラリー

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まだまだ世の中には知らないことが沢山あるのだなと、今日また思ってしまった。「足立区美術館にどんな魅力が?」忙しいけれども心優しき友人から、招待券をいただいた時にこう思ってしまった。バカです。島根県にある美術館です。同時に足立区の皆様、ごめ…