色彩と幻想の画家 エミールノルデ展/東京都庭園美術館

ポスターやパンフレットに使われている鮮やかな水彩画に惹かれて行ってみることに。
輪郭の曖昧な、色と色が交じり合う女性や花のシリーズはもちろんよかったが「描かれざる絵」と呼ばれるシリーズが、とても美しかった。
ナチスから退廃的という理由で制作活動を禁止されていた時期に、田舎の屋敷に篭もって人知れず描き続けた一連の作品。狭い部屋で、画材も自由に手に入らないので小品ばかり。なのに、異様に光り輝いて見えた。水彩画だけれども、油のように塗り固めてある。けれども、決して重いわけでも濁っているわけでもなく、軽やか。
なのに、私がいいなと思った作品に限って絵葉書がなかったのが残念。また庭園美術館は、いつ行っても妙な圧迫感を感じて長居ができない。展示室が狭いせいか、やけに薄暗い照明せいか、原因は分からないけれど。

エミール・ノルデ展:http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/nolde/index.html