タニマチ

 職場女子K嬢に西本氏コンサート(id:a2004:20040622)の話をした流れから、K嬢のゼミの先輩(K氏:仮称)の話を聞いた。
 K氏の奥様は元タカラジェンヌ、そして一人娘も現役ジェンヌという宝塚一家。ジェンヌとして成功するには、実力もさることながら支援者がいることも重要らしい。
 数年前にゼミOBのパーティで会ったK氏は、出席者の中の有力者達に名刺を配りながら娘の宣伝をガンガンして、新規支援者をつのっていたそうな。また彼の自宅は東京だが、関西方面に毎週末車を飛ばし、支援者まわりに余念がない。その甲斐あってか、お嬢さんはかなりいいポジションにいるらしい。
 それで別の友人から聞いた話を思い出した。あるジェンヌと結婚した人(N氏:仮称)のお話。支援者達へご報告するために、支援グループごとに「お食事会(ジェンヌ側主催。お土産つき)」がセッティングされたのだが、N氏はもちろんのことN氏のご両親まで接待する側として席についたそうな。しかもあまりに数が多いため二手に分かれて、つまりN氏と彼のご両親だけのお食事会ということも。本人不在で相手は納得するのかと思うのだが、タニマチとは家族づきあいだからそれでいいということらしい。夫となる人とその家族は、既にジェンヌの家族なのだ。
 普通のサラリーマンであるN氏とそのご家庭にとってジェンヌとの結婚には、万事このような具合で想像していた以上の費用がかかったという。先のK氏も何だかんだ言っても、社長さんなのである。
 一度だけ総本山の宝塚大劇場で生舞台を見たことがある。歌劇団の人達は、一定以上のクオリティの歌と踊りを披露してくれているのだが、なんともいえないぬる〜〜〜〜い空気が会場には確かに、ある。なんというか、娘の学芸発表会に出席している父兄のノリ。これはTV中継からでは分からないことだ。
 私は宝塚という器とそこにいる人たちは、もっともっと上を目指せるだけの潜在能力がありそうなのであるが、せっかくの宝をダメにしている感じがしていて、いつもこの手の話を聞くたびに残念に思っている。