裸の大将、暴れん坊将軍

緑の渓谷の中に、その温泉はあった。気温は20度くらいで涼しい。庭先には、ひまわりとアジサイとコスモスと朝顔が咲いている。季節が不明な、不思議な光景。これも、この涼しい気温のせいなのか。
お湯はちゃんとかけ流しの湯の花浮きまくりだったので、今流行りの入浴剤入りではない、はず。
ただし、露天風呂に入るのを随分と長い間、躊躇している中年女性がおりまして、散々迷った挙句、尋ねられた。
「…あのー、垢が浮いてません?アナタ、入ってて大丈夫なの?」
ちがーう!これはゆ、の、は、な!
利用者の方も温泉の最低限の知識がなくて、お互いがイメージ先行で起こってしまったのが、ああいう事態かなとも思ったり。もちろん、温泉でもないのに入湯料を取るのはもってのほかですが。
ここには、混浴の露天風呂もあった。川のせせらぎが目の前にあって、周りは山と緑がいっぱい。入ったらサイコーに気分よさそう。
しかし。
そこには裸の大将(←文字通り)の中高年たちがやりたい放題。デジタルビデオカメラを片手に、息子や孫を追いかけまくっていたり、川までそのまま温泉のお湯と一緒に流れ出て泳いでいる。カメラを持っていたんじゃ、前は押さえられないよね〜というか、ここ一応、水着で入れって書いてあるところです。
水着を持参してたら、絶対に入ってやって、オヤジ達の暴れん坊将軍をシゲシゲ観察しまくって、嫌がらせしてやろうと思うのですが、持っていなかったので断念。もちろん、他に入浴するような勇気ある女子もおらず。
この混浴露天風呂は、川に面しているということは対岸の駐車場(オートキャンプしている団体あり)や、つり橋等々180度の方向から見られまくりなんですが、裸の大将たちは全く気にしていない様子。
近頃の若者は…と言いたい方々と同じぐらい、なっていない中高年もいると思う次第。年を取ると、周りが見えなくなるのか。自分もそろそろ気をつけねば。おばさんだし。