假屋崎省吾展/横浜三越

 地下の食料品売場以外は、やや寒い空気が漂っている横浜三越。横浜在住で三越カードを持っているのに、何のお誘いもしてくれない横浜三越。(恵比寿とか銀座からは時々は来るんだけど。)
 そんな横浜三越から来た久々のラブコールはアンケートの依頼だった。「やっぱり、彼らもこのままじゃいけないと思ってるんだ!」やる気にはやる気で応えようじゃないか。少々キツイが、思っていることを正直に書いて送り返した。そのアンケートの中で「全館あげて開催する『フラワーウィーク』のメインイベントです。是非、お越しください」と紹介されていたのが、この展示会だった。
 平日だというのに、展示会場のある4Fにはエスカレーターからちょっとした人の流れが出来ていた。しかし、そこにいる人々は「ちょっとぉ〜あれ見てよ〜」「んまぁ〜キレイね〜」「そうよね〜」「ねぇ〜」こういう会話が得意な50代以上のオバサン限定。彼のコアなファンがどういう人たちで構成されているのか、よく分かりました。(注:いいとか悪いとか、そういうことではなく。)
 展示自体は、原色に着色された枝モノを大胆にあしらったイベント会場仕様のバリバリ假屋崎ワールド。でも、実物を見たのは初めて。原色に染め上げられた枝モノと花の荒っぽいというかポップな配置具合は、ある意味で初期のコンピュータグラフィックスに通じるものがあるように思う。ラン(特に、見たこともないほど肉厚で大きく立派なシンビジューム)の使用本数がとても多かったが、私はストレリチア(極楽鳥花)に、長い鳥の羽を挿した小品が面白いと思った。元々、ストレリチアは南国の鳥の頭のような形をした花だが、羽を挿すと益々、空想上の生き物っぽく見えて不思議な感じがする。
 それにしても。全館あげて「フラワーウィーク」開催中のはずなのに、他のフロアで何を「フラワー」しているのかサッパリわからず。ちょっと期待していた「フラワーカフェ」のあまりのショボさにもボー然。このイベントの予算の大半は「シンビジウム」代に消えてしまったのかなぁと邪推。
 假屋崎省吾展:http://www.mitsukoshi.co.jp/kariyazaki/ 17日(月)まで
 併設ショップに置かれていた「花筺」花筺という写真集がとてもよかったので、買おうかどうか未だ悩み中。意外にも?伝統的な日本家屋で生けたシリーズがいいのです。彼には洋のイメージがあったのですが。