ソウル見聞録④

●街のあちこちでそそり立つあるサイン

 「ソウルの男子は散髪好きなんだなぁ」そんなボケをかましている場合ではない。サインは立っていても、お店は外からは見当たらず。ビルの奥まったところにあって、髪も切ってくれるが、もっと「違うサービス」をしてくれるところらしい。
 銀行とか、ビビンバ屋とか、コンビニとか、バス停の横に、オシャレな繁華街の中でも極々普通に立ってます。観光スポットでノー天気にお互いを撮り合ったスナップ写真の背景でも回ってます。(苦笑)本当に街のあちこちにあります。一つのビルに4本回ってるのも見ました。
 このサインは不幸な時代に、日本からもたらされた床屋文化の男性が気持ちよく過ごせる場所が転じて定着したモノだそう。先の景福宮を見学した際、どの建物にも、どんな小さなものであっても解説の最後は必ず「この建物は、日帝時代にあんなことやこんなことをされたが9○年に修復」と結ばれており「さすが恨パワー」と関心をしましたが、こちらの方がより生々しい日本の置き土産に思えます。以前から話には聞いておりましたが、こんなに激しくあるとは想像をはるかに超えています。
 別に「不潔!」だとか、そんなオトメチックなことが言いたいわけではなく、ただ「冬のソナタ」「猟奇的な彼女」等々、儒教の影響下のピュアラブ大流行&キスシーンすらNGという映像コードとは裏腹に、こうも堂々と男性専用のストレートな産業が町中にさりげなくあふれてるというこの状況はなんだか不思議というか、イビツだなぁと思ってしまったということです。
 帰国直後に日本のテレビで「韓国では今、結婚の費用におよそ1千万円近くもかけるカップルも多い」というニュースがありました。衣装をとっかえひっかえしてCG合成まで駆使した記念写真を何枚も撮って一生に一度の思い出作りをするのだと、花嫁さんはエラく張り切ってインタビューに答えておりました。彼女はきっと、人生の勝利者なのでしょう。こんなことを考えるのも、最近id:chimadcさんの日記を読ませてもらっているからかもしれません。特にid:chimadc:20040418あたりは考えてしまいました。
 賑々しいブライダル専門写真館も現地で見ましたが、そのお店のすぐ横には輝くネオンの温泉マーク。*1なんともはや。

●エイリアンの卵

 …ではなく、量り売りで買ったキムチ。機内で臭わないようにと、ラップで激しくグルグル巻きにしてくれたけれども(写真左:定番の白菜キムチと、細ねぎキムチ)、エゴマのキムチ(写真右)は、たった一日で発酵が進んだのかパンパンに膨張。帰宅後、タッパーに移そうと、恐る恐るはさみを入れてみたもののドビューッ!!!返り血を浴びました。こんな苦労?をしても、美味しいので買って帰る価値はアリです。それにしても羽田でのバゲージクレームは、キムチ臭かった。みんな買うってことですな。

*1:普通の旅館の場合もあるけど、いわゆるラブホテルや連れ込み宿であることも多いらしい。