モネ、ルノワールと印象派展 / Bunkamura ザ・ミュージアム

 平日なのにかなりの込みようで、本当にみんな印象派が好き!というのを実感。特にBunkamuraというロケーションは、オバサマを引き付けてやまないのでしょうか。東京都美術館マルモッタン美術館展は、芸大が近い関係でそのスジらしい学生さんも多く、庭園美術館のプティ・パレ展(印象派の展示も多数あり)にもオバサマは多かったけれど、Bunkamuraよりも更に平均年齢が高く落ち着いた感じ。微妙に客層が違う。
 ルノワールの展示には、長くたらした金髪にワンピース姿のかわいい子供たちの絵が数点あったが、それらは皆、男の子らしい。当時のフランスの習慣で男の子も小さなうちは、女の子の格好をさせていたとか。一つ勉強になった。彼らの着ているワンピースが地味なのも「男の子」だったからか、と納得。けれども、女性のドレスとか帽子の独特の優美さとか繊細さが人物画における「ルノワール節」だと思っているのだが、今回の展示作品には、そういうものがなかったのが残念だった。
 対して、モネの展示は初期作品よりも「モネ節」が確立した後の作品が多く、充実感はあった。モネの明るい風景画を見ていると、心地よい明るい日差しの中に立っているような錯覚をし、睡蓮を見ていると静かな水底に落ちていってしまいたくなるような気の迷いを感じる。