DEATH NOTE

 7巻まで一気読み。この漫画の面白さは、将棋やチェスといったような駒を使うボードゲームのそれと似ている。*1よく出来た細かいルールや、縛りに則って相手と対峙する。そして心理戦。ただし、駒は自分以外の他者全ての命。

 でも、登場人物の誰の考えに共感するとか、考えさせられるとか、そういうものは一切なかった。

 主人公が天才少年のように持ち上げられているけれど、あれは確かにお勉強はできるし、裏技開発は得意かもしれんが、自己能力を過信してるただのアホの子。デスノートに書き込む悪人を選定するための情報ソースが、テレビかネット情報(ハッキング含む)だけっていうのが、哀しくなるほど低脳丸出し。

 とにかく、死んでもいい人間の選び方、考え方が、あまりに“ライト”なので物語としては薄っぺらというかイヤーな感じがするだけというか。

 また、7巻で“あんなこと”になってしまったし、この先の興味関心は
「(今後、すごいライバルが現れようと)主人公の迎える悲惨な末路がどんなものか」
一点になってしまいました。だってデスノートを使ったものは「地獄にも天国にもいけない」んだし。ああ、読んだ私の心もヤサグレております。

*1:私自身は全くたしなまないので、イメージなんですけど。