お子ちゃまの世界

 ここのところ、小学生が読んでる雑誌を集中的に読んでいる。もちろん、お仕事で。
 男の子の間では「ムシキング」なるものが、流行っているらしい。昆虫バトルゲーム。
 ベースに外来種(悪の昆虫)の侵攻によって生じた平和(生態系)の乱れを元に戻すため、在来種(=主人公側)が立ち上がって、打ち負かす…という世界観がある。生態系云々はともかく、何かが微妙に間違っているような。なんだか不景気な発想。
 で、女の子の方はというと。「なかよし」の読者アンケートによると3割が小学6年までにキスの体験ありとか。(私はこの数値、信用してませんが。)
 「ムシキング」に夢中になってるような「子どもっぽい」クラスメイトが彼女らのキスの相手とは、ちょっとギャップがありすぎ。全くもって背伸びしたがりなのか、キスの意味がわかってないのか、はたまた、同級生男子ではなく中学生以上がお相手なのか。
 と、思っていると「たのしい幼稚園」のレベルで既に、こんなマンガが。
 「おジャ魔女ドレミ」。クラスメイト男子だけでサイクリングに出かける。心配なのでこっそり後をつけると、案の定、トラブル発生。そのまま姿を現して手を貸すのはまずいので、魔法の力で「年上のお姉さん」に変身。トラブル解決法をアドバイス。男子、無事にサイクリング終了。
 そして「やっぱり男の子って子どもよね〜」。小学校に上がる前から、それですか?
 また女の子の場合、可愛くあること、おしゃれさんであることが流行らしい。
 小学一年生で「メイク推奨マンガ」。引っ込み思案の主人公の女の子が、ちょっとお化粧をしただけで、あらあら不思議。見違えるほど可愛くなって、周りがチヤホヤしてくれるし、お得なことばかり…ということを示唆する内容。メイクは、文字通り“魔法”と同じ意味。
 また、おしゃれ度を競う女の子専用対戦ゲーム。ストリートファッション対決から始まって、最終ステージは舞踏会で王子様と踊りながら、ドレスのセンスとダンステクニックを競うらしい。
 可愛くてキレイな女の子は得をする。それは事実。三十路のオバサンですもの、今更きれいごとは言いません。
 でも。お化粧や、ファッションで飾り立てたり、かわいらしい仕草でアピールなんて手段は、イージーだし、甘い。甘いんだけどね…。
 イージーに欲望を刺激して、イージーに対処法を商品・サービスとして提供するのが資本主義。これで、小学生以下女子のファッションマーケット(お化粧含む)が成立したら、お給料が上がるオトーさんたちが増えるってこと。
 女の子を必要以上に煽っておマセさんに仕立てているのは、結局オトナ。で、近頃の小学生女子は、少女タレントみたいにおしゃれして!と。非難するのも別のオトナ。そして子どもマーケットを調べている私もまた、そんなオトナの末端。あーあ。
 それにしても。
 「ピチレモン」バレンタイン特集アンケートで、女の子の様々な思惑をよそに、男の子たちの「欲しいチョコレートランキング」。
 1位 生チョコ    理由:「生」っていうだけで、おいしそう!
 2位 ケーキ状のもの 理由:お腹がいっぱいになるからいい
 3位 ハート型チョコ 理由:定番。分厚いやつなら、なおいい
 なんだかこう、色恋関係なく「君たち、腹ペコなんだね〜」という感じ。ほほえましいです。オバサンにとっては。