お年始の珍客

 上述が基本的な実家の老猫の日課だが、今日の午後はちょっと違っていた。
 芝生の庭をスーッと横切って一匹のキジ猫(オス、推定年齢3〜10歳)がやってきた。縁側の台も上がって、ガラス越しに日向ぼっこ中の老猫を丸い目を見開いてじっと眺める。
 時々訪れる近所の飼い猫らしい。すぐ近くに家の者(私と父)がいても、まったく気にならない様子。
 老猫に「お年始に、若いボーイフレンドが挨拶にきたよ」と教えてやると
「シャァァァーッ!!!!!」
と総毛立てて、必死の威嚇。昔からそうなのだが、この猫は他の猫を一切寄せ付けない。その点は、相変わらずであることを確認。
 一方、キジ猫に威嚇はまったく通じず。怖がるどころか、ジーッと興味深げに威嚇の様子を眺めているだけ。結局、老猫の方が先に威嚇疲れして奥に引っ込む。飼い主として、少々情けない気分になる。
 キジ猫もその場を離れた。日向ぼっこ場所としては一番、いいスペースなので老猫はすぐに戻る。
 すると、すぐにキジ猫が縁側に再登場。今度は老猫を眺めていたと思ったら、おもむろに180度回って、お尻をぱっと向けたかと思うと、おしっこをガラス窓に向かってシャーッと放水。そして、去っていった。
 あれは何の表現でしょうか。