やらせ・朝のオツトメをする猫

 猫の日課の起床7時と、エサをもらうの間には少し端折ったことがありまして。仏壇のお水を取り替えてお線香を上げる父の横について、いっしょにお経をあげてます。あくまでも父だけの主張(主観)ですが。
 確かに、老猫は毎朝、仏壇のある部屋まで、父の後をしっぽをまっすぐ立てて意気揚々とついていく。
 が、それはチーンと仏間から音がしたら、朝一番のご飯を父が出してくれると学習したため。
 仏間での老猫は、座布団に座った父の横に座っている時もあれば、座布団の周りをぐるぐる回っている時もあり。で、その際、ムニャムニャとへんな鳴き声を出す。それを父は勝手に「お経」と呼んでいる。
 そのお経はネコリンガルがあったら
「早く、朝ごはんにしようよ、お父さんてばー」
と訳されるでしょうな。間違いない。
 この猫の寿命が来る前に、ビデオ投稿番組に応募するというのが父の野望らしい。で、本日は無理やり、私がカメラマンの役をやらされる。
 今日は特に、父の膝の上によじ登って「ムニャムニャミュニャ」と鳴くので、どこからどう見ても「エサをねだっているの図」にしかならず。
 父は諦めず、毎日特訓を重ねてもっと自然な演技?ができるように仕込むつもりらしいので、もし、万一「毎朝、仏壇の前でオツトメをする猫」なんてビデオ見ることがあったら、それはうちの猫が朝ごはん欲しさにやってると思ってください。