クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

　前作オトナ帝国と1、2を争うと評判の作品。
　子供向けギャグアニメとはいえ、ものすごく丁寧な印象。天正2年*1にしんちゃん一家がタイムトラベルする話なのですが、どうも時代考証をちゃんとやっているらしい。合戦シーンに投石戦法があるところなど、名もなき小国どうしの合戦なんだなと実感できる。
　それにしても。ズルイと思う。
　またしても、子ども向けアニメという前提で大人が泣ける話。大人向けという前提だと、アラやら矛盾やらがいっぱいある。けれど、そこは
「子ども向けなんだから、難しいこと細かいことは置いておいて」
ということで、OK。
　純粋に子供向けと考えると、少し難しくて、かなりほろ苦い内容。でも
「名作とは、今分からなくても、大きくなってから分かればいい」
という逃げ道が用意されている。うーむ。
　でも、何かそれじゃいけない気もするのです。オトナとして。何がいけないのかは、説明できないのですが。
　2002年度の文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞しております。つまり世間的にもお墨付きの作品ゆえ、ひねくれ精神をくすぐられて、あら捜しをしようと躍起になってしまうのだろうか。
　
　…と文句言いつつ、また泣きそうになっちまったよ。青空侍、切ない。
　

*1:室町幕府が滅ぶのが1年。長篠の戦い（信長軍が武田軍に鉄砲隊を率いて初めて戦う）が3年。