甘えん坊将軍

ワイドショーをつけていたら、田原総一朗の奥様が亡くなったとかで、田原氏本人が出演しての特集が組まれていた。
別の作業をしながら聞いていただけなので、詳しいことは覚えていないのだが、奥様というのは大変に出来るお方だったらしい。バリバリのキャリアウーマンで、編集者として自身が活躍される一方、田原氏のお仕事も完璧にサポート。彼の転機となったらしい某国への取材旅行も、彼女が背中を押し、スケジュールも立て。その他にも、彼女がのフォローがなかったら、今の田原氏はなかったと思えるようなエピソード満載。
うーむ。
まぁ、夫婦なんて二人の世界なのだから、当人同士が納得してればどういうあり方だろうと他人がどうこう言うのは失礼なだけなのだが、イヤだなと思うのは、こういう話をワザワザ拾ってきては「いやー、こういうオットのことを全て引き受けられる妻、夫婦関係ってステキですよね」という美談風にまとめてしまう番組が作られる感覚というか、土壌というか。
私に言わせれば、奥様がいなければお茶を飲むにも不自由する(何処に何があるか分からないから)なんて、生活者としての能力ゼロってことで、そういう姿を全国に晒される立派な経歴の田原氏ってなんだか気の毒…と思えなくもないわけだが、晒す番組制作サイドや世間一般はそう思っていないということだろうか。そして、自ら出演する田原氏自身も。やっぱり、テレ朝つながり?

実は、義父と義母の関係がまさにそれで。義父は悪い人ではないのだが、自分の生活能力のなさについてことある毎に「だから家のこと何もできない俺って男らしくて、かわいいだろ?」とアピールしている人。仕事がある間はそれでもよかったかもしれないが、定年を迎えて一日中こういうタイプの人が家の中にいるなんて、義母も大変だなと思う。いや、それは余計なお節介というものか。そんなことより、もし、義母の方が先立つようなことがあったら…と考えると、子供達は今から憂鬱になる。
というわけで、私はオットの自立を促すべく、立派な妻にならないようにしております…ってそれは、毎日掃除をせず、ぐーたらしていることの自己正当化ですかねぇ…。それも性質が悪い(苦笑)。
オットは、1人暮らしをしていたこともあって実際には出来る人なのだが、そんな彼でも結婚直後
「俺って結婚しても何も得することがないんだよね」
と言ったことが忘れられず。自分以上にハードワーカーな妻(当時)に対する、“普通の”ご家庭のように、あれこれ世話を焼いてもらえないことへの嘆きです。
私の方は1人だったらいい加減で済むことも、家庭を持ったらきっちりしなきゃならんだろうかとか、面倒くさいなぁと考えいた矢先で、結婚したらオットに何かをしてもらえるとか、得するとかいう発想は全くなかった。なぜ、私だけ悩まなければならんのか!
よって、むしろ、彼の言葉で目が覚めた次第。結構、根に持っておりますよ。ほほほほ。