点滴をする猫
久しぶりに実家に電話すると、父が
「おとといまで、さくらが危篤状態だった」
と教えてくれた。
さくらというのは実家で20年近くも飼っているメス猫のこと。この暑さで4〜5日間、エサも水もとることができなくなってしまい、体重も3.5Kgから2.5Kgへ激減。獣医に診せたところ、腎臓と肝臓が極度に弱っているので、栄養だけでなくそのクスリの入った点滴を打ちましょうと言うことになった。
それで毎日1回、点滴を打ちに通院を4日ほど続けたら、昨日、ようやく自力でエサを食べるようになったらしい。で、今日に至っては、狂ったようにエサを要求する始末で
「急にやりすぎてもいけないし、調整している」
だとか。点滴はクスリの関係もあって、まだしばらく続けなければならないらしい。
点滴とは随分、大げさなと思ったが、父に言わせると病院に行くといつも必ず、同じように暑さにやられて点滴を打たれている犬猫が5、6匹はいるとのこと。私の実家のあるような田舎でも、ペットの高齢化、もしくは虚弱化って、進んでいるんだなと思う。
ところで。
この話を帰宅した夫にすると、彼は
「元気になったならいいんだけど、さくらの場合はもう年なんだし、そもそも点滴しなきゃ生きられなくなった時点で、無理やり延命してるようなもんじゃないのか。ある意味、動物虐待かも」
「病院もその方が儲かるから、飼い主に『点滴打ちましょうか』って言うんだ」
という意見。
うーむ。
でも、そうと分かっていても、やっぱり点滴打たせちゃうのが飼い主なんだと思うのですよ。死んで欲しくないから。
夫は続けて
「もしかしたら次の正月までは持たないかもしれないし、今のうちに実家へ行ってさくらに会いにいってこようかな」
なんて言っている。いいえ。彼の真の狙いは、私の親のおごりで、実家の近くにある飛び切り美味しいうなぎ屋でうな丼(松)を食べることだと思っているのですが。