消費生活アドバイザー更新講座

 Q1.満員のエレベーター。閉まる寸前に若い男性が乗り込んできた途端に、重量オーバーを知らせる「ブー」という音が。けれども、この若い男性は知らん顔をしたまま降りる気配もない。この若い男性は一体何者?
 Q2.閉まる寸前のエレベーターに乗って降りる階のボタンを押そうとしたら、全部の階が押してあった。先客はすまし顔の中年女性が1人いるだけ。わざわざエレベーターを「各駅停車」にするこの中年女性は何者?
 答えは後ほど。

 こんなクイズを交えながら、(財)共用品(日本生まれのユニバーサルデザイン)推進機構の方のお話を聞いた。
 受講者に企業の商品開発部門や顧客サービス部門に勤務する人が多いこともあって、講師の方は「皆さん、もっとバリアフリー関連商品に関心を持って、仕事に生かしてください」という熱がこもったしゃべりだった。伝えたいものがある人から発せられる言葉は説得力が違う、と改めて思う。
 ドキュメンタリービデオでは目の見えない人の生活の大変さはもちろんのこと、耳が聞こえない人の場合、障害そのものだけでなく周りに障害を持っていることを気づいてもらえないことによる摩擦が多いということも勉強になった。私も気をつけよう。
 またマジックハンドがおもちゃ屋だけでなく、病院の売店で意外に売れているというのも、ワケを聞くとなるほどと思わせる。起きられない患者さんが介護者不在の時に、ちょっと新聞を取ったり等々に使用するためなんだとか。

クイズの答え
Q1:この若い男性は「聴覚障害者」
Q2:この中年女性は「弱視

実際にこのようなシチュエーションに遭遇したら、上記の可能性も考えてくださいとのことでした。
 けれども…
 最後に見せてくれたショートビデオはちょっと疑問。ある小学校の運動会でのクラス対抗大縄跳び競技。あるクラスでどうしても縄跳びが苦手な男の子がいて、彼を入れて全員参加とするか、彼を外して勝負に勝つことを優先するかについてホームルームで激論を交わす。当初、彼を外す派が優勢だったが、本人の「僕もみんなと一緒に跳びたい(競技に参加したい)」という一言で、最終的には圧倒的多数を持って全員参加で決定。1人も切り捨てないってすばらしい。感動のあまり目に涙を浮かべる先生と生徒達。そして当日、男の子も跳ぶのに成功したという内容。うーむ。
 意図は分からないこともないのだけれど、そもそも障害や年齢に関係なくみんなが使えるモノやサービスと、みんなが全く同じことをするとは違うのではないかと思ったり。それは新しい差別につながる可能性も秘めている。