男子厨房に入らず

 女性サイトでこんな記事を見かけた。
 メディアの森の女たち/家事のできる男は「男らしい」?男と家事について考えてみた:http://www.cafeglobe.com/news/media/index2_040513.html

 何より驚いたのは「男子厨房に入らず」の本来の意味だ。

 そもそも、男性が家事をしないことを正当化して使われる「男子厨房に入らず」という言葉は、中国で豚や鶏を台所で処理していた時代の「君子は庖厨を遠ざく」という格言が転じてできたものとか。
 「君子というものは調理場(「庖」=肉をさばく場所、「厨」=さばいた肉を煮る場所)に近づいたりはしない。というのは、仁の心のあるものは、生きものの殺されるさま、その声を聞いては、とても食する気になれないから」という意味だったらしい。
 日本では鎌倉時代、耐乏生活を送る武士の訓練のため、この思想にこじつけて「食事の回数も武士はやたらに食せぬぞよと日に二食 で十分と指導した。江戸時代には空き腹をかかえて『武士は食わね ど高楊枝』の川柳が生まれるくらいの威厳を保つためにも男はむやみに台所に入るものではないと言った」ものらしい(へぇ〜×10程度?)。
 つまり、「男子厨房に入らず」はひもじい男が空腹をまさしく「痩せ我慢」するための大義名分であって、飢えた生活を送っていない現代の男性には「厨房に入らず」というのは何の必然性もないことだったのね。

 目からウロコ。最近、本来の意味が忘れられて、違う意味になってしまうことわざはが時々話題になるけど(「情けは人のためならず」とか。)、これもそうだったのか。かなり時間は経ってるけどね。
 この記事は元々、家事のできる男、料理のできる男ブーム?にちょっと物申す的な内容。筆者自身も自分の偏見を踏まえつつ書いている。そういう見方もあるかもね、と軽く読ませてくれる。