秋田県知事選について

何やら首都圏から発せられるメディアで地方の首長選挙を、常に自民と野党の前哨戦みたいな捉え方をするのに激しく違和感。ここで暮らしてると、自民VS民主、どっちを選ぶか!とか小沢氏許すまじ!とかで判断している県民って、どう考えても多数派とは*1思えないわけでして。西松の件以前から民主がどーこーではなく、前知事への反発はあったし、低所得・超少子高齢化・人口流出・自殺率などなど、問題山積みのこの県で、都会のように政治ごっこを考えるような余裕はなく、自分たちの目の前の暮らしをどうよくしてくれるかという思いがより切実だと思う。

で、どういう人が自分たちの暮らしをよくしてくれると思ってたかというと…WEBに載ってる資料で、分かりやすいのはこれか。

河北新報社 http://www.kahoku.co.jp/news/2009/04/20090414t41002.htm


川口氏は、小坂町という一番北に位置するところの前町長。佐竹氏は仙北市出身の前秋田市長。佐藤氏は元羽後町長。つまり、それぞれ地元の人、地域に近い人から支持されているという状況。地域対決ではないか、と。

県人口およそ110万人のうちの30万が秋田市民という構成。その上、秋田藩*2の末裔で全県的な知名度もあり。だから佐竹氏優勢は、地元では大方の人の予想通りの結果。川口氏は意外と頑張ったのかなという印象。

更に秋田県の人口の度合いってこんな感じ。

過疎市町村マップ-秋田県 http://www.kaso-net.or.jp/map/akita.htm

川口氏を支持する県北は元々かなりの過疎地域ばかりで、そこで圧倒的な強さを見せても票数は見込めず。


ちなみに小坂町は人口およそ6600人の小さな町でありますが、昨年、住民所得は秋田市に次いで2位と発表されまして。川口町長時代にそれ以前の県内39位から押し上げられたということで、この人が県政をやったら面白いかなぁと思っていたんですけどね。


それにしても、以前から県北の方に出かけると、「おめ、どごからきた?」とチェックが入り「県南で暮らしてるけど県南出身者ではない余所者」ということが分かると安心するのか*3、必ず県南出身の知事(今は前知事だけど)のおかげで県南はどれだけいい思いをしてるんだか、一方、県北は…的な話になり。裏を返せば、地域の人間が県の代表になれば、地域の暮らしが良くなるという思いがストレートだなぁと。


とにかくそういう思いが強い土地柄というか、しかも割と狭い地域ごとに色々とした思いが交錯する土地柄ではあると感じておりました。県南の中でも「どこのもんだ?」*4と聞かれて「横手に住んでるけど県外出身者です」と分かると「知事さんのおかげで…」「横手って…(以下、悪口)」みたいな話になるんだなぁ…。いやいや、横手市内でも市町村合併前のエリアごとに色々と…以下略)

実際問題、どれだけ出身地域を“優遇”するのか、できるのかはよく分からないのだけれど。

*1:そういう人も、もちろんいるんだろうけど。

*2:厳密には佐竹北家は傍流だけど。

*3:県南事情をある程度知っててかつ、県南生まれではないから、思いっきり悪口言っても平気だし、県北の言い分もわかってくれるだろう、的な感じ。

*4:飲食店やお店ですぐ出自を聞かれるので最初は驚いてたけど、半年ぐらいで「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 余所者チェ〜ック!!!」と心の中で呟けるぐらいには慣れた。岩手や山形では聞かれたことないんだけど。