フリフリアプリコット

フリフリアプリコット

 近所の花問屋か?と思うほど品揃えの多い花屋で気になっていたのは、トルコギキョウのの種類がとても多いこと。のぞく度に、少しずつ入れ替わってるし。

 色も紫、ピンク、白…とそれぞれのグラデーションだけでなく、緑っぽいもの、チョコレートっぽいもの、真っ赤に近いもの。花びらは一重、八重、フリンジに、花の形も、キキョウを離れて、玉のように真ん丸のまで。花の大きさの大小に開きがあるのは言うまでもなく。

 『月刊フローリスト』9月号にトルコギキョウの特集が出ていたのを目撃して、納得。

 今年7月に一大産地の福岡でトルコギキョウだけのコンベンションが開かれたが、そこに出品されたものだけでも、個人園芸家の手がけた改良品種を含めて500種とのこと。国内では、きく、バラ、カーネーションに続く出荷量を誇る花なのだとか。特にブライダルには欠かせないんだそうで。いつの間に、そんな需要の多い花になっていたとは。

 記録として残っている日本初登場は昭和8年らしい。そのときの名はリシアンサス。でも、翌年にはトルコギキョウという名に。

 元々は北アメリカ〜メキシコで自生している植物だった。トルコとは何の関係もない。ただ、花の形(撒いている状態)が、トルコ人のターバンに似てるからとか、花のその青さが地中海を思わせる色合いだったからとか諸説はあるけれど、とにかくトルコはイメージから。キキョウはやっぱり日本の桔梗の花に色・形ともに似てる(た)から。でも、桔梗の仲間でもないんだとか。うーむ。

 品種改良が難しいとされていたけれど、昭和30年後半、特に40年代に入って盛んに品種改良が行われるようになったのと同時に人気も広がっていき、今に至る…ということらしい。

 ああ、そう言われてみれば…と思い出したことが。

 母親は花をいけるのが好きな人で、昔から色んな花を買ってきました。そんな中で、
「これはね、トルコキキョウって言うのよ。でも桔梗じゃないの。でも、桔梗に似てるわね…」
と、解説をされたことが妙に頭に残っております。初めて田舎の花屋に登場した、不思議な名前の花を二人でシゲシゲと眺めたのは、昭和40年代後半。薄い紫色でした。

 そうそう、初期の改良の方向性は青から白、ピンク系へ…だったと書かれていましたが、しばらく前の、サントリーの青バラ開発プロジェクトのTV番組を思い出して、ちょっと面白いなと。方向性が全く逆で。

 それで、今日の画像はちょっと前に買ったフリフリアプリコットという名のトルコギキョウ。この画像では、かなりお花は開いておりますが、買ったばかりの、またはお店にある状態では、もっと閉じておりまして、パッと見た感じは大輪のバラのようでした。

 ちなみにグーグル検索すると、トルコキョウの方が圧倒的に多いですが、月刊フローリストおよび農林水産省等ではトルコキョウ表記なんですね。



上記を書くにあたって、月刊フローリスト以外で参考にした農林水産省トルコギキョウのサイト:
 http://www.toukei.maff.go.jp/dijest/flower/flower02/flower02-06/flower06.html