信じるとか信じないとかでなく

 騙すヤツが一番悪い。お年寄りとか、重い病をわずらっている人とか、人の弱みに付け込むヤツは最低。言語道断。

 一方で振り込め詐欺とか、最近のリフォーム詐欺とか、どうしてそこまで言いなりになるのだろうか、という思いもある。

 振り込め詐欺は初期はともかく、アレだけ話題になっても、しばらく被害が収まらなかったし、リフォーム詐欺だって、営業マンに郵便局に連れていかれて、言われるがまま定期預金を解約してまで、不当な工事費用を払った…という話を聞くと、どーなってるのかと思う。しかも満期が目前だったので、わざわざ郵便局員が「解約しないほうがお得ですよ」と、言ってくれたというのに。

 …で、こんな記事を改めてシミジミと思う。

男女共同参画』法改廃狙い*1
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20050725/mng_____tokuho__000.shtml

(中略)
 結局、保守派の矛先はどこに向いているのか。性の領域だけなのだろうか。

 「新・国民の油断」で八木氏との共著者である「つくる会」名誉会長の西尾幹二氏はこう記している。

 「集団就職が盛んだった時代、(就職先の社長らの勧めで、青年たちは)何も文句を言わないでどんどん家庭をつくって、うんと子供を産んで(略)日本は生命力にあふれていました。個を無視しているからいけないとか、自己決定がどうとか、そういうくだらないことは誰も言わなかった」

 いわゆるジェンダーに反発する発言(?)なのだけれど、それに留まらず、あらゆることに関わる本音が透けて出ている気がしないでもない発言。

 かつての青年たちとその配偶者たちは比較的、人が勧めることに対し何の文句も言わないで、何の疑問も持たずに、自己決定がどうとか、そういうくだらないことは考えない*2、それでヨシとしてきたまま年齢を重ねてしまった。それゆえ、今、ほうぼうで騙されて続けてしまってるってことですか。だとしたら、それでヨシとした時代を過ごしてしまったことが、気の毒に思えてならない。

 このような事件の報道の後には大抵「人を簡単には信じてはいけない哀しい時代になりました」みたいなコメントがつく。

 けれども、信じる信じないといった真心とか誠実さとかが絡む問題ではなく、単純に人の言いなりになって操られないか、最後まで自分で考え抜いて、それはおかしいからと断固拒否できる(自己決定できる)かできないかの問題ではないのか。心がすさんでますか?

 で、最大の人を自分の言いなりにさせたいと思っている人たちは…保守派の政治家の人たちでしょうかね。自分たちの無策は置いておいて、食育でも、ニートでもアレコレ指図したがりだし。
 
 そして、いつまでもこんな詐欺に騙されるぐらいの素直な国民であって欲しいなぁ、その方が思い通りに動いてくれて都合いいし、心の底では思っているんじゃなかろうか。考えすぎですか。

 でも、まぁ、振り込めにしても、リフォームにしても、面倒な相手にはさっさと金さえ払えば解決できる…という発想もあるような。それはまた、日本の外交のやり方に通じるものがあるような、ないような。うーむ。とりあえず、本日の妄想はここまで。

*1:この記事全体がいろんな意味でイヤーな感じ。

*2:この名誉会長の言い方自体、そもそもかつての青年たちに失礼であると思うので、心苦しいのですが。