地震雲?

地震雲じゃないよ

 森美術館に行く。メインの企画展とは別に展望台に沿って、小さな展示が。

 画像は東京上空に浮かぶ特異な地震雲…ではなく、フィンランド在住の若手作家の作品が、展望ガラスに映りこんだの図。

 印象的だったのは、いわゆるビッグウェーブの瞬間をほぼ原寸大で再現したオブジェ。波と海面の狭間をシゲシゲと覗き込みながら、名サーファーがキャッチする瞬間をヴァーチャル体感する。サーフィンを全くやらない私でも、この巨大なうねりにとりつかれる気持ちが分かるような気が…。

 でも、これって芸術鑑賞なのか?キュレーターの解説ポイントともズレてるし。“急速な国際化や技術、革新への警鐘のようでもあります。”とあります。*1現代美術は分からんです。

 ロバート・キャパの珍しいカラーばかりの写真の展示も。新たに発見されたフィルムということでプリント自体は新しく、退色はしていない。

 第二次世界大戦時のイギリス海軍からヘミングウェイのプライベート家族写真までは、現代と違和感なく*2。特に、ヘミングウェイは田舎に暮らしていたこともあって、息子たちを見るとアメリカ人って(革ジャン、チェックのシャツ、よれよれのコットンパンツなどのファッションを含め)今でもそのまんまいそう。

 ところが京都、大阪、東京となると俄然「50年前!」と思ってしまう。日本の風景、日本人の顔立ち・表情は、モノクロのレトロパワーを借りずとも随分と変わったんだなと。

*1:このオブジェ一点に関するものではなく、この企画全体へのコメントとして。

*2:軍の装備は随分違っているとは思いますが。