恋は邪魔者

恋は邪魔者 特別編 [DVD]
 60年代へのオマージュ?ともいえるポップなファッション&インテリア、ノー天気なラブコメディをみるつもりでいたのに…。
 21世紀の今、「何もかも皆、懐かしい(by 沖田艦長)」となるはずが、思いのほか現代を反映してしまって後味ワルーイ映画。
 自分でふった話の肝の部分には落とし前をつけろ!と言いたい。
 恋をするということイコール、女子は男子に人生の全てを無条件にささげて結婚という女中化、または女奴隷への道に入り、男子はそれを享受するだけということ。この映画では、ご丁寧に身もフタもなく明かしてしてくれている。
 こんな状態で、どーやってラブコメディとしての収拾つけるのかしらん?と、途中で関心の矛先が微妙に変わってしまいましたよ。2人の恋の行方にドキドキするはずだったのにね(苦笑)。
 お互いのホンネをトコトン暴露するレニー・ゼルウィガーユアン・マクレガー。一度は振られるものの、ユアンは「心を入れ替えた」と、レニーに強力にプロポーズをする。
 けれども「心を入れ替えた」とは、具体的にはどういうことなのか。それについてユアンは、一切語らない。なのに、レニーはOKしてしまう。
 あの2人の結婚生活ってどんな風になるんでしょうか。理屈じゃないのよ、恋に落ちるってことは。ってことでしょうかね。
 うーむ。そういう論理は分からなくもない。でも、ムリヤリハッピーエンド(2人がくっつく)に持っていくためのご都合主義にしか見えませんね。外で働くことは認めてあげるよハニー、ってことぐらいですか。彼が心を入れかえたのは。
 と、言うか恋をしたら、結婚しなきゃならんってのもね。恋と結婚は必ずセットでなきゃならんのですか?結婚という形式を取らんと、真面目な恋だと証明できないのでしょうか。
 確かに、今と60年代のそれとは状況は変化しているとは思う。けれども、最後に具体的な答えを出さなかった、出せなかったことで、返って今も引きずってる問題だということを再認識させてくれるお話でした。
 私は、もっといい意味でバカっぽい娯楽モノ希望なのです。中途半端が一番困ります。
 そーいや、歌もダンスも、オースティンパワーズばりのギャグも、全て中途半端な演出だったですね。ファッションとインテリアは期待通りでしたけど。