私とチャウシェスク大統領②

唯一のベストセラー?

引き続き面識のない人物との昔話。
画像は、首都の目抜き通りの本屋のショーケース。全てかの人物の語録とか、そういった類のものです。中に入っても、平積みされてるのはこの手の本ばかり。ご尊顔が表紙にあるので言葉が分からなくても、ね。

ブラショフという街で、知り合った日本人の女子の、ブラショフ一の高級ホテルの部屋(と、言っても日本で想像するようなものとは全く違うイメージだと思う。)で、毎晩一緒にテレビを見ていた。私の宿泊先は最安宿のテレビなしだったので。
深刻な石油不足だったこともあって、テレビ放送は夜7〜9時の二時間のみ。その貴重な二時間を私たちが知る限り、毎度、何を放送していたかというと
前半:ルーマニア各地の民族衣装を着た娘さん達が、各地方ごとにメロディを変えながら♪チャウシェスク閣下、万歳!素晴らしい!♪みたいな歌を歌いながらフォークダンスみたいなものを踊り続ける。1時間。
後半:「19○×年、チャウシェスク同志はこんな偉大な事業に取り掛かった」みたいなナレーションとともに、工場、農場各地を訪問して人民を励ます記録映像集。1時間。

以上。しかも白黒画面。前半のは、衣装がかわいらしかったので、それなりに楽しめるポイントもありましたが、「毎晩こんなんでは、人民は見る気がしないだろうな」と、二人でうなだれました。

ブカレストの歴史博物館か国立美術館、どっちらかに行ったのだが、当然ながら大戦後は、かの人物の偉業をたたえる展示であふれていて。展示の中に、彼と各国首脳とのつながりというか、こんなに支持されてるんですよってなことを示すコーナーがあったのですが、そこで唯一見かけた日本人でかつ目立っていた人物。それは、大作先生でした。彼の著作物(日本語)も展示。こんなところで、こんな風にディスカバージャパンするとは、思いもよらず…。