強い女の子の昇華のされ方
それほど強い関心がないせいか、いつの間にサッカーの日本女子代表は「なでしこジャパン」なったのだろうか…などと、ズレた感想を持ってしまう今日この頃。
と、思っていたら、maki-ryu さんのとこで、
オリンピックに行くためのスポンサーに、あたしたちはサッカーの上手い「男まさり」な女子だけども、浴衣なんか着るようなごく普通の女の子なんですよ。おっさんにも理解しやすい女子なんだから安心してね」っていうアピールが必要なんでしょうね。http://d.hatena.ne.jp/maki-ryu/20040812
こんなコメントを発見して
「全くそうだろうな。この気色の悪い感じは」と思ったり。的確だなと。
いわゆる大和撫子という“概念”は、明治以降の女性の概念と思われ。富国強兵とかといっしょですな。普段は可憐でしとやかで、でしゃばらず、いざとなったら率先して家族のために身を挺して働き、お国のために銃後を守ったりしてね〜というやつ。
ところで、この「なでしこジャパン」。商標登録してグッズも売り出して、流行語大賞も狙っているつもりらしいことも考えると、ホント、企業戦士であるビジネスオジサマたちにすごい活用のされ方です。*1まさに大和撫子。
で、いつの間にマラソン女子が、金を取ったり好成績だったりしても「なでしこマラソン!」って、アナウンサー(男)が叫んでる。うわー。
もちろん、カワラナデシコ(大和撫子の植物としての名称)には、何の罪もありませぬが。因みにこれも野生状態では、絶滅危惧品種の一つらしいです。
で、ぼんやりテレビなんかを見てると、レスリングやらの父娘鷹の話がやたら流れたような気がする。アニマル父は、本当に野獣の如き応援だし、絵になるから仕方ないような気もするのですが、何故に父娘はクローズアップされる。代表落ちた山本美憂ですら、特集あったし。卓球少女愛ちゃんも元々はそうだった。ただし、借金こさえたり離婚したりで、すっかり表に出なくなってしまったけど、記憶には残っている。
または、父のように厳しく・やさしく選手を包み込むコーチ(男)と選手(女)の組み合わせ。レスリングの浜口以外、女子バレーとか。今回は出場しなかったけど、Qちゃんと監督も典型的。北島がどんなに速く泳いでも、彼のコーチの顔なんて知らないし、男子体操でも親子の人いたけど、サラりとしか出なかったし、室伏のお父さんは少しは出たけど、女子レスリングほど取り上げられることなんてかつてなかった(はず)。
多分、ツヨーい女の子の存在って、やっぱり男のサポートがあるからこそと示した方が納得しやすいんだろうか、世の中的には。または娘のポジションを与えること。
昔、バリバリの封建的なカイシャでお勤めしていたころ、オジサマの頭の中に、女性というのは「母・妻*2、娘、飲み屋のねーちゃん*3」の三種類しかないということが、シミジミ分かった。会社で一緒にパートナーとして働く女性という概念はない。会社妻としてあれこれ甘えてお世話を焼いてもらうか、娘のように可愛がるか(仕事の評価はしない)、お尻触っても怒らない、あわよくば不倫OKな対象とみるか。で、どれにも当てはまらないとなると、無条件にバッシングの対象。
そんなオジサマ的発想中心で動いている世間にとって、男勝りでも父とともにあるかわいい娘という図式は、納まりいいんだろうなと思うわけでして。
なでしこジャパンも、本来の大和撫子から派生した世の中みんなの娘化、なのか。なんといっても女の子、そして子供をあらわす「子(こ)」がつくし。
そう考えると、ますますあの方が偉大に思えるのです。そう、ヤワラちゃん。彼女はずーっと本人のみが全面に出て活躍してきたから。実力は文句なしなのに、バッシングが絶えないのは、そのせいかも…と一瞬、思ったのだけれど。
よくよく考えたらマンガ「YAWARA!」って、失踪してしまった父に、有名になれたら再会できるかもしれないと、か弱いヒロインがおじいちゃん指導のもと柔道を始めるって話だったような。つまり、父を追い求める娘の物語。ああ〜。だから国民栄誉賞候補にもなる?
今日もかなり妄想モード。
追記:ウェイトリフティングの女子も父娘鷹で、頻繁にメディアに取り上げられておりました。
*1:スポニチ記事:http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/sponichi/news/20040819spn00m050016000c.html
*2:この母と妻が分離していないところも、ミソ。
*3:きっちり仕事してる水商売の女性にこんな言葉は本当に申し訳ないのだけれど、あくまでオジサンの脳内ワードということで。以下の概念も同様に失礼だと思うし、そもそも女性を勝手に用途別に都合よく分ける発想が間違っている。