そして誰もいなくなった

 前の会社の中途採用同期(皆さん、私よりお姉さまばかり)の居残り組最後のRさんが、いよいよこの月末で退職することに。社長秘書から、もっと大きな会社の社長秘書へ。出世出世。めでたい。それで、元中途同期女子による恒例の焼肉送別会というか、外の世界にようこそウェルカムパーティに出席。
 Rさんは、マイケル(社長の名前、仮称)に長年仕えていて何ががイヤだったかという質問に、英語ができない社員は、ただそれだけで駄目なヤツと一方的に決め付けてるところと、部下に自分の意思を一方的にしゃべるだけで対話にならないことだったと答えた。ノンネイティブのハンデを全く理解していないばかりか、5年もいるのに日本語の一つも覚えないと。彼女自身は英語に全く不自由しない人なので、彼と衝突することもなかったのだけれども、そういうのを間近で見てるのがイヤだったそうな。新しい会社の社長(アメリカ人)は、その辺に理解がある人でとても感じがいいのよと言っていた。
 でも、よくよく考えたらマイケルはフランス人ではなかったか。フランスでの実績を買われて、アメリカ本社経由ではなく直接ヨーロッパから異例の抜擢でゴーンのように日本の建て直しにやってきたのが彼だった。だから、本当はミッシェル。ところが自分で「英語風に『マイケル』と呼んでくれた方がいい」と言うものだから、そうしてきたんだよね、確か。彼は、身も心も本気でアメリカーンになったのか、なろうと努力した結果、そうでない人間が許せないのか。考えすぎか?
 それにしても今日のお姉さま方、先日のKさんの旦那様のお話を合わせると、日本のコンシューマー向け食品、医薬品会社の中身というか体質は、それこそ私が新卒で入った10数年前とほとんど変わらないんだなぁというのを確認。基本的に、新卒を景気のよしあしで採るか採らないかだけの世界なので外の世界がどれだけ変化しているのか、情報は入っても、若い人が入らないまま、高齢化するので変化の実感はなく、数少ない若い人も会社体質に飲み込まれて染まるだけ。年功序列、女性社員の非活用、合理性ではなくて声の大きさで意見が通るなどなど。中途は採用自体少ないし、仕事ができても生え抜き優先で冷遇されがち。