高齢男性は自分のことで頭がいっぱいなのか

 たまたまNHKの「福祉ネットワーク」という番組の再放送「こころの相談室『痴ほうと向き合う』」で読み上げられる投書の数々から、本当に介護されるご家族の方々は大変なんだなと、他人事とはいえ胸が痛む思いをする。
 ただ、ちょっと気になったのは50以上の男性からの投書について。必ず「大変よい番組だと思いますが…」というような前置きがあるが、その後に続くのは「治らない病とされていたのに、アメリカで発表されたアルツハイマーが治る薬は、いつ日本で手に入るのか」「ボケる食生活、生活習慣は何か、具体的に教えろ」ときて、結びには「私が本当に知りたいのはそういう情報だ」となる。
 この人たちは自分のことだけで頭がいっぱいなんだなと思う。介護する立場になることや、万一介護される立場になったとき、周りにどう気遣いしたらいいか、そういう視点は全くない。こういう人に限って、他の投書にもあったように「どう見てもボケによる異常行動が見られるのだが、決して病院に行ってくれないばかりか、その話になると『オレをボケ老人扱いするのか』と手がつけられないほど怒り暴れ出す。どうしたらいいでしょうか?」と相談される人になんじゃないかとか。この番組ではなかったが、自分の親がボケても介護は奥さんまかせで、自分は知らぬ存ぜぬという夫の話もよく聞く。