サプライズギフト成功

 S嬢から私からの宅急便を受け取ったというメールが届いた。中身は彼女へのささやかな再就職祝いとしての、ルノートルのブルーベリージャム、自家製ドライローズマリー、そして瓶の保護材を兼ねて入れた北京で買った菊花茶ティーバッグ少々。テーマは一応、SE職の彼女の眼精疲労解消だ。会って渡そうと思ったのだが、当面ずっと忙しそうなのでいっそ、黙って自宅へ直接送ってちょっぴり驚かせてやろう、と考えた。

 そうと決まったら、俄然楽しくなってきた。プレゼントなんだけど、いたずらのような感覚。押入れからあり合わせの材料を引っ張りだして、できるだけかわいく包装してみたり、彼女が以前好きだと言ってくれた私の写真で作ったポストカードにメッセージを書いてみたり。

 S嬢もちゃんと驚き、喜んでくれたようだった。若いころには、生きててドキドキするようなことが時々はあった。ところが、年を取るとだんだんそういうことがなくなってきた。生活も、精神も、何もかも安定してきたということだと思う。けれども、たまにはドキドキしたい。だから、自分でそれを掘り起こしていくのだ。