人生で最高に感じの悪い医者

 頭はとりあえずスッキリしたものの、原因がどうやら睡眠時無呼吸による脳の酸素不足にあったらしいことと、それまでのボーっとぶりが自分でもかなり怖かったこともあって、自分の頭がかなり心配。(哀しい表現だ。)

 それで、脳神経外科へ診察を受けに行ったのだが。

 その大きな病院の中年の男先生は、結局、私の顔をまっすぐ見ることは一度もなかった。ずーっと机の上のパソコンのモニタをタッチペンで、チョコチョコいじりながら
「で、今日はどうして来たの」

 ひと目みただけで忙しそうな(落ち着きのなさそうな)人だなと思ったので、端的に説明しようと
「2つの症状で困っています。一つ目は、ここ二ヶ月くらい頭がモヤがかかったようにボーっとしていたこと。物忘れを時々したこと。眠くてしかたなかったこと。二つ目は、これは以前からですが、時々、肩や首のコリからくる激しい頭痛に悩まされること…」
 と、ここまで言ったところで、一方的に話を遮って
「あなた、どんな仕事してます?」
と質問。

どう説明していいのか一瞬迷ったけれど
「パソコンをよく使います」
と答えたら、即、
「それそれ、原因は。アナタの言ってることみーんなソレだね」
とバッサリ。

「大したことないと思うんだけどね、一応、検査入れますよ」
と、モニタをタッチペンでピッピッとしながらスケジュールチェック。MRIの日取と、その後の説明日を一方的に告げられ、じゃぁとカバンを掴むと、風を立てて脇をすり抜け、部屋を出ていかれてしまった。

 頭がボーっと…じゃなくて、あっけに取られて口をポカーンと開けてたたずむのみ。

 脇にいてくださった看護婦さんが大層親切かつ有能な方々で、血液検査、頚椎のレントゲン撮影等はスムースに終わりましたが。

 そりゃ私も『ブラック・ジャックによろしく』とか『医龍』とか、医療マンガ読んでますから、医者もあまり患者に親身になると、逆に患者が付け上がるというか、重くのしかかってくるというか。それである程度、突き放さないと医者自身の精神面がもたないっていうのは分かりますよ。(ま、裏を返せばその程度の知識しかないんですけどね。はは。)

 でも、これはあんまりじゃないかと。

 それでなくても、今、インフォームドコンセントとか色々言われてるのに、まだこういうセンセイがいるということに、感動すら覚えてしまいそう。

 確かに、多分、結果は大したことはないと自身も思ってるんですけどね。一応、不安を払拭しておきたいってことなんですけど。