一関のジャズ喫茶ベイシー

ベイシーのコーヒーカップ

 最近、続けて岩手県は一関市に出かけている。この日は日本一、音の良いジャズ喫茶とうたわれ、オーディオマニアでもあるタモリも絶賛してるらしいベイシーへ。


 店内は昼間っからかなり薄暗い。蔵を改造した窓のない部屋の中で、ボリュームをガンガンに上げたジャズ(レコード)がかかっていて、腕組みをした年配のおじさんたちが、目を閉じて椅子に座り、ただひたすら音楽に耳を傾けている…という空間は異様と言えば異様。けれども音大きいし、薄暗いと、そうする他ないというか、私もすぐさま、目を閉じて椅子に寝そべるおばさんになって1時間半を過ごし、オーディオマニアでもなければジャズの素養のないこの素人耳では日本一かどうかは判断つかぬが、とにかく音が断然いい!というのだけはよく分かったような気がした。本当に目の前でプレイが行われてるんじゃないか?と錯覚しそうな臨場感。体にもビシビシ振動が伝わる。


 さて、この一関市。カーナビ情報によれば、直線距離では我が家から70km足らず。60km台ではそれほど遠くはない、というのがこちらで生活するようになってからの私の距離感覚。


 ところが、岩手と秋田の間には1000m級の山が横たわり、特に一関に繋がる国道は半年間ぐらい“冬季”閉鎖状態。なんだかんだで、ぐるっと迂回する高速を使って片道130kmぐらいにはなる。


 なので、一関では秋田ナンバーの車はまず見ない。*1なので、一関のお店で「秋田から来ました」なんて話になると、必ず「それはそれは遠いところからお来しで!」と驚かれ、大変に親切にされる。裏を返せば、一関の人も秋田へはほとんど行かないようだ。「かまくらっていうのがあるんですかー?」状態。


 一関市博物館のパンフレットにある市内各名所までの距離を見ていたら、30km、40km台のところも。市内を移動するのに40km。だから60km台は、さして遠くないはずなのだけれど。

 

*1:一関に限らず、県外を走ってて秋田ナンバーに遭遇することは(大型トラックを除き)ほとんどない。