木魚

 こんな夢。

 実際に通った高校ではなく、見たこともない建物、知らない人ばかりの中で高校生になっている私。


 その高校にゆかりのある人物の盛大な学園葬。観客席は学生でいっぱいの日比谷野外音楽堂のようなステージで高名なお坊さんが立ってお経を上げる。私はなぜかそのお坊さんの横で、立ったまま木魚を叩いている。


 夜中に学園葬が終わったとき、お坊さんが真顔で
「あなたの木魚の音色は大変、すばらしかった。20年間にわたるモノが伝わってくるようだった」
というようなことを言った。実際、恐ろしく響く、変わった音色の木魚の音(木魚というよりシンセサイザーみたいな感じ)だなとは自分でも思っていて、それが自分のせいなのか木魚のせいなのかは分からなかったが、とにかく叩きながらいい音だなと思っていたのは確か。けれども、私は高校生だし、少なくとも20年も生きてないよと思う。


 翌日。行く先々でいろんな人(教師、クラスメイト、知らない生徒などなど)に囲まれて
「木魚の音色がすばらしかった」
と言われ続ける。1/fゆらぎがあったとかなかったとか。


 なんで木魚でそんな大騒ぎになってるのかなぁと思って目が覚めた。