この夏、体調不良の原因

 …それはテンピュール枕、だった。

 毎日、毎日、眠くて眠くて仕方がない。地下鉄で座れるとスグに寝る。職場にいても、頭に薄いもやがかかったような感じ。あくびをすると涙がでる。睡眠時間を増やしても、一向に改善しない。温泉に入っても、芯から疲れがとれた気がしない。

 本を読もうとしても、集中できない。頭に中身が入ってこない。F100や、スピードライト(ストロボ)のマニュアルを理解するのに一苦労。情けない。

 物忘れをする。10分くらい前に置いた、ハサミの場所がパッと分からない。(仕舞ってある場所じゃなくて、作業中にふと置き忘れた場所が即、思い出せない。)財布を、前の日に使ったバッグの中に入れたまま、別のバックを持って外出。家の鍵をかけ忘れたことが1回。

 これらを、夏ばて&年のせいだと思っておりました。自己嫌悪の上、輪をかけてブルーな気分になりました。ここに書きたいことも沢山、あったけれどキーを叩くのが億劫で億劫で。

 この週末には、左肩から首にかけての激しいコリと頭痛に見舞われて、のたうちまわっておりました。

 私の方は「頭が痛い、痛い」と騒ぎ疲れて先に寝てしまえたけれど、オットの方が逆に寝るタイミングを失って、夜中、仕方なく私の顔を見ていたらしい。

 ふと気がつくと、私は息をしてなかったそうで。あせってしばらく凝視してると、ズーッ!と大きな鼻息をすすり立てて深呼吸。そして、再び息がとまる。いわゆる睡眠時無呼吸状態。

 彼はとっさに私の枕を引き剥がしたところ、普通に呼吸を始めたらしい。

 翌日の日曜の朝、
「今日、身体の調子どう?」
と彼の方から聞かれたので
「肩から頭への痛みはまだするけれど、なぜだか今朝は久々に頭がスッキリして、さわやかな気分」
と答えると、「実は…」と呼吸をしていなかったことを教えてくれた。

 それで枕なしの状態で眠ることにしたところ、頭はドンドンスッキリしてくるわで、肩や首のコリも殆ど消えてしまいました。

 私はもともと、枕なしで寝る習慣でして。

 だから、旅行だろうと、出張だろうと「枕が変わったから寝られない」ということはないのです。

 それに対し、オットの方は色々と健康枕を探しまわった結果、今のテンピュール枕(何年か前の彼の誕生日に私がプレゼント。)が最高!で、コレじゃないと安眠できないんだそうで。

 だから、彼は旅行などで自宅を離れることがあっても1週間がギリギリ限界らしい。

 そんな彼から長年、
「俺のような繊細な文明人の横で、枕なしの原始人(=私)が寝ているのを見るのは耐えられない。だから枕を買え!」
と、ことあるごとに責められておりましたが、「お金、もったいないし〜」と無視しておりました。

 ところが、偶然にも今年の父の日ギフトセールで、同じテンピュール枕が半額で売っているのを、彼が出先で発見し
「この安さなら、文句はあるまい!」
と、何の断りもなく買ってきたので仕方なく。

 しばらく抵抗していたので、実際に使い始めたのは7月の頭ぐらいから。そう考えると、頭が徐々にボーっとしてきた時期とちょうど重なってくるのです。酸素強化のミネラルウォーターで妙に頭がスッキリしたのも、睡眠時に呼吸量が少なくて、脳が慢性的に酸素不足だったということか。

 彼自身、無呼吸でいるところと、枕を外した途端、スースー息をし始めたところ両方を目の当たりにして、かなりショックを受けた模様。もう、「枕をして寝てくれ」とは言わなくなりました。

 どんなにいい枕も、人によりけり…ということですね。オットにとっては、今までのどんな枕よりもいいことには、なんら変わらないのですが。

 それにしても、しょせん人間も、意思の力、精神力、内面云々よりも、外的要因、生体反応に左右されていることの方が多い(酸素不足とか)んじゃないかと思ってしまいます。