完熟 鯖のなれずし

 冷凍庫の中で3年も熟成した朽木村の鯖のなれずしを発掘。週刊文春で以前、紹介されていたのをみて2本お取り寄せたものの残り1/2本。あの小泉武夫先生が絶賛していた。
 冷凍保存とはいえ3年の月日は、最高に美味しく食べられる時期を過ぎている。だからといって、食べられないものでもない。
 鯖のなれずしは、鯖の身にご飯を詰めて塩漬けにし、発酵させたもの。元々が保存食。
 そのご飯は発酵がかなりすすんで、粒の形はとどめておらず、どろどろのチーズのよう。ツーンとくる発酵臭が以前にも増してすごかった。
 前もそうだったのだが、食べる前と口の中に入れてる間は、臭いやら、塩酸っぱい*1やらで大変なのだが、お腹に入ると、なぜか体の調子がよくなる気がする。いや、本当はその大変な臭さや、塩酸っぱさをかみしめているときから「でも、体が欲しがる感じの味だなぁ」と、なぜか本能的に思ってしまう。舌だけではなく、体が欲しがる美味しさ。発酵食品は偉大なり。(小泉先生の受け売り)
 とはいえ、私も土地の人ではないので、切ったままの状態で沢山食べるのはちょっと…。それで以前に編み出した方法でいただく。
 普通の白い温かいご飯の上に、細かく刻んだ青じそ、のり、そして薄切りにしたなれずしを乗せ、わさびとおしょうゆを少しだけ入れて、混ぜてそのまま食べる、またはお茶漬けにして食べるというもの。
 しそ、そしてなぜかわさびが入ると、格段にさわやかな味わいに。もし、鯖のなれずしを食べる機会があればおススメ。

*1:塩辛いような酸っぱいような、えもいわれぬ感じ。