CASSHERN
ものすごくヘンテコなものを見ました…という感じ。
でも、ヘンテコなモノって普通の人間には作れない。普通の人間は、ただ退屈なものを作るだけ。
前半は殆ど台詞ナシ。映像で行間を読ませる感じ。
一転して後半は台詞が多いけれど、棒読みとか、説明的口調だとか、正面向いた顔のアップで説教するとか、左右対称、平面的な画面構成で紙芝居とか、色々言われてる。確かにその通り。
でも、それって様式美があるということ。ある意味、歌舞伎っぽいし。
何をどうすればいいかなんて、私にはわからないけれど、これに懲りず頑張ってほしいなと思うのです。私は結構、面白かった。欠点もあるけれど。宇多田ヒカルのPV同様、とにかく他の人ではこうはならんだろうという、独特の美術・映像感覚は確かにスゴイ。
マジな主張をするのはかっこ悪いという日本の風潮の中で、アメリカ帰りのファッションフォトグラファー監督が、こんなストレートにナイーブさを晒すのは、何か深い考えがあってのことではないかと思ったり。深読みし過ぎ?
それに、言われなくて100%わかっている!と、胸を張って言い切れる人が果たしてどれだけいるかどうか。
『東京原発』で言えば、人口数の少ないの地方の犠牲の上に、多数派の都市生活者の生活が成り立っていることを、普段は全く気にも留めてないわけで。
ただ、「誰かの願いがかなうとき、誰かが泣いている」までで終わっちゃってる。じゃ、その次、どうしたらいいか?を具体的に提示できたら、また違ってくるのかなとか。