東京原発 

 石原慎太郎氏を彷彿とさせる役所広司扮する都知事が、ある日突然、東京のど真ん中に原子力発電所を誘致する構想をぶちまけて、さぁどうなる!?社会派エンタテインメントと言うかブラックコメディというか、パニックサスペンス。
 クランクアップから昨年の公開まで2年を要した(しかも、そうそうたる役者陣にも関わらず、マイナー館でのみ細々と)いわく因縁つきの映画。画像リンク先はDVD・ビデオではなく、監督が書いたノベライズ版。アマゾンに何故か登録がないんですねぇ…。
 原発の感情的な賛否はともかく、まず、国民は客観的なデータを元に、ありとあらゆるリスクを知らされた(知った)上で、自らの意思でリスクを天秤に量って選び取れということでしょうか。
 リスクというのは原発のマイナス面*1はもちろんのことですが、それがないことに対して生じるかもしれない、経済、生活上のマイナス面も含めてのこと。現状は、何も知らない、知らされないまま、他人事のようにことが進められている。真実を知ることは面倒くさく、つらいことではあるのですが。
 役所都知事と、都職員幹部、原発推進委員会のトップ、さらにロシア風の怪しげな毛皮の帽子とコートをまとった物理学の大学教授も交えての、会議室での白熱の議論には、相当考えさせられるものが。これが真実ならば、やっぱ原発は駄目ですねぇ。なくても問題ない上、一般人には一利もないですから。
 お勧めです。特に都市生活者の人に。
 公式サイト:http://www.genpatsu.bsr.jp/

*1:この辺は、広瀬隆の本でも読めばわかるのかもしれませんが未読です。