正しい恋愛のススメ全4巻

正しい恋愛のススメ 1 (YOUNG YOUコミックス)
 普通の高校生が、優等生のクラスメイトに誘われて出張ホストのバイトを始め、客として出会ったガールフレンドの母親と本気の恋に落ちてしまって…という話。
 これを読んで何度も号泣をしたという職場女子とランチ。感想を聞かれたので
「爽快感のある話だった。清々しいね」
と答えたら「ええっ!?」という反応。
「玲子さんと博明が別れるところで、泣けませんでしたかっ?好きなのに別れるなんて耐えられない。玲子さん可愛そうすぎ」
「だってさー、あの2人、最初っから別れようとしなくたって、関係を続けようと思えばできるわけだし、私はそれでも全然オッケーなんだけど」
「そんなのダメですよ。娘、騙し続けられるような玲子さんだったらサイテー」
「だからさ、続けるも美学、別れるも美学だと思ったのよ。娘の恋人寝取ったから悪いとか、年の差があるから別れなきゃとか、そういう世間の常識じゃなくて、恋愛の美学に則って潮時を決めてる感じが、私はすっごく痛快だなーと」
「じゃ、護国寺君の元ソープ嬢の彼女が死んじゃうところで、泣けませんでしたかっ?」
「彼女っていうか、擬似家族だよね。同棲してた時も、カラダの関係はなしだし。あれもさ、護国寺君は親族ではないという常識に縛られないで、大切な人をホストのバイトで入院費用稼いでしっかり支えてあげて、お葬式も彼の自宅からキチンと出して。世間を上手く手なずけながら、自分のやりたいようにして、後悔しない生き方って清々しいなと」
「でも、護国寺君、彼女に死なれちゃって可愛そうじゃないっすか?」
「いやー、当事者だったらもちろんそうなんだけど…」
「…」
 人非人認定されてしまいました。
 玲子さんという人は、たいそう魅力的でかっこよく、職場女子が入れ込むのもヒジョーに納得できる女性。
 けれども。
 値段の書いてないような高級寿司屋のカウンターで、堂々とタバコに火をつけるシーンに目が点。しかも、食前。
 高校生ホストにフランス料理のマナーやら教えて男磨きさせたり、食にこだわりがあって、食欲と性欲に関する持論を語る人とは思えない。残念っ!