公安警察のこと①

注)9/18〜/23に行った上海旅行の出来事を時々メモ代わりに書いております。

大通りではない街中をプラプラ歩いていたら、こんなホテルがあった。
参考画像①魔術大酒店
日本にもよくある、宴会や結婚披露宴に力を入れたホテルのようで、魔術的演出なんて、どんなのかしら〜とノー天気なことを考えながらしばらく進むと、人だかりができいた。
そこは上海市公安警察署前。
参考画像①上海公安警察署の前の人だかり
白髪頭のおばあさんが1人、大の字に寝転がって公安警察署の車両出入り口を塞いでいたのだった。
その胸にはキチンと印字された文書があった。最初に「告」の文字が見て取れたので、何かを真剣に訴えているようだった。
ドンドン増える野次馬に公安職員は
「あっちいけ!シッシ!」
と人間というより、虫けら扱いの横柄な態度。が、虫けら(私含む)の方も心得たもので、公安が来ると一旦、引くものの、すぐ元通り、というか更に野次馬が増える始末。更に、署に戻ってきたパトカー等が入ることができないまま道路に滞り、異様な雰囲気になってきた。
おばあさんの方も、公安に言葉で凄まれるくらいでは全く動じず、負けじと主張を続ける。
どうなるのだろうと思っていたら、突如、バンが急行。トビラがガーッと開いたと同時に、迷彩服っぽい制服を着た別の公安職員が飛び出してきた。
「おばあさん、バンにぶち込まれて強制排除か?」
と思ったが、青い制服の通常の公安職員が迷彩服を制した。その代わり、一斉に複数の青い制服職員たちががおばあさんを囲むと、カラダを抱えて立たせ、そのまま公安内部へゆっくりと歩いて連れていった。
参考画像①連行されつつも主張するおばあさん
公安の働きぶり?を初めて目撃したオットは
「やっぱり怖いな」
と言ったが、私は
「すいぶん、優しいな」
と思っていたのだった。

昔、成都の青羊宮という道教の建物前に早朝、行き倒れと思われるおじいさんがいた。やっぱり人だかりが出来ていたのだが、そこへ大型のバンが急行。公安職員たちは、サッサとおじいさんの両手、両足をつかむと、左右に大きく振って勢いをつけて、ポーンとバンの中に放り投げた。そして、人だかりを後に、あっという間にバンは走り去ってしまった。
しゃべることもできないほど弱りきったおじいさんなのに、まるで荷物のような扱い。車にたたきつけられる衝撃で死んでしまっても不思議ではないし、放り投げる手が滑って、バンのトビラにでも頭があたったら…。
人口が多いということは、人の命も安いということなのだろうか、とかなり衝撃を受けた出来事だった。
そんな思い出があるせいで、おばあさんに決して手荒なことはしなかったこと、凄む人もいたけれど、穏やかに諭す人もいたことから、ずいぶんと変わったんだなとこの時は思ってしまったのだった。もちろん、場所も状況も違うので、安易に決め付けられるものではないのですが。