ちょっと観光ルートを外れてみた①

注)9/18〜/23に行った上海旅行の出来事を時々メモ代わりに書いております。


アジア一高いテレビ塔を後にして、再び、街の中をグルグルと歩いた。豫園((上海の昔からの観光名所。中国庭園の周囲に、浅草のように商店街が立っていて大変な賑わい。)から南へ。観光地でもなんでもないが、昔ながらの街並みが残っているというエリアを目指す。表通りではなく、一歩入った路地裏を伝うようにして歩いていった。
参考画像①
そこは長屋のように小さな家々が連なっていて、暑いので窓およびドアは開けっ放し。玄関ドアの向こうは大抵の家は、ダイニングキッチン。なので、中で家人がお食事中なのか、テレビを見ているのか、マージャンをしているのか、歩いているだけでわかってしまう。ワザワザ覗こうとしなくても。それで自然に分かってしまったのは、この辺りでは、テレビはあるが洗濯機はなさそうだということだった。使い込んだ洗濯板が、金だらいとセットで現役で活躍している。
参考画像②
調理場も家の外にある。ここでは、ヨネスケの番組は成り立たない。突撃せずともとなりの晩御飯は丸見えなのだから。
生ごみはそのまま家の前にポンポンと投げ捨てられる。一度、窓から袋にはいったごみが、突然飛んできたことがあった。反射的によけて、事なきを得た。やれやれ。
そしてこれが、私が昔に見ていた上海の風景なのだった。
参考画像③
ただし、路地裏から高層マンションが見えなかった。存在すらしていなかった。
こういう言い方は好きではないのだが、スラムと高級住宅が道一本隔てたところに同居している、それが今の上海。世界中のどんな街よりも、資本主義を体現してるんじゃないかと錯覚しそうになる。ここは一応、社会主義のお国なのだ。なのに格差を目の当たりにすると、頭がクラクラしてくる。
高い展望台からは見晴らしがいい分、マンションしか見えないが、地を歩いて初めて見えてくるものもある。
目的のエリアについた。ところが…
参考画像④
既に、壊されていた。(手前)
最新版ガイドブックでも、追いつかないほど上海の変化は激しい。こんな調子で、お店や、目印となる建物がなくなっていることは他にもあった。背後にはやはり高層マンションがすぐ側まで迫ってきている。
更に南へ。
参考画像⑤
赤い壁が特徴的な長屋エリアに着いた。ここも道を一本隔てて(つまり撮影者の私が立っている側に)、敷地の入り口に警備員付きのおハイソそうな高層マンションが立っているのだけれど
参考画像⑥
そのマンションの敷地をぐるりと囲むフェンスの一部に紐を潜らせて、長屋住民が自分達の洗濯物を干していた。庶民パワーは強し。
それにしても。
毎日こんなに近くに隣り合わせて、お互いをそれぞれ見上げ、見下ろしている。それぞれどんな気持ちで暮らしているのだろうか。
それとも、新しいマンションには、元の長屋住民が住んでいるのか。もしそうだとしても、あまりの落差に頭の中ではイコールならない。それに、これほどマンションばかりが建って、部屋が埋まるのだろうか。
ちなみにフェンスの手前の歩道にある遊具のようなものは、実は健康器具。女の子が座ってるのは、背中を反らせて背筋を鍛えるもののようです。
参考画像⑦
こんな風に、主に中高年の方々が使っておられます。上海の住宅エリアはもとより、昨年の北京にも、団地の脇などには置かれていました。どれも、原色使いの同じデザインで、まだピカピカであることから、ここ数年内に一斉に設置されたのではないかと想像。屋外の無料スポーツジム状態です。
勝手に続く。