2番バスに揺られて

何やかやで2時間ほど遅れて、浦東空港に着いたのが夜10時過ぎ。

バスターミナルへ行って、主要ホテル間を行き来するバスに乗ろうとするも、既に終わってしまったことを知る。案内所の小姐が「ホテルの住所を教えろ」というので、ガイドブックに乗っている住所を指し示すと
「南京路、それなら2番ね。すぐ最終がでちゃうから、速く乗れ」
と言う。南京路。正確には南京西路と南京東路とあって、合わせるとかなりの距離がある。ホテルは西路だ。不安を覚えたので地図を見せて、南京路のどこに止まるんだと確認すると、彼女は自信を持ってホテルの近くを指差して、バスはココで止まるからホテルにはちょっと歩くだけでOKよと。
それで慌しく2番バスに乗り込んだはいいものの、バスの窓ガラスに書かれている行き先を示す中国語を読む限り、小姐が指差したところではなく、そこから3kmぐらい離れたところにしか止まらない。だったら他にもっと近いのがあるんじゃないかとか。人が歩く速度は平均4Km/hらしいので、45分くらい歩けば着けるけど。
ここで昔を思い出す。そうだ、上海で道を尋ねるときは、3人以上に聞いて2人が合ってたら初めてOKだったと。
バスを降りたらタクシーでも拾えばいいか、と思いなおし、ふと冷静に窓の外を眺めて見ると…このバス、どの車よりも速い、速い。抜きまくってる。
反対側の座席の中国人女性は、吐いていた。何故かゲロ吐き用の丈夫な紙袋を持参されいて準備がいいのが何ともいえない。その中に口を突っ込んでゲーゲーと何度も何度も吐きつづける。
あまりの猛スピードにバスはちょっとした段差にも激しくバウンドしてしまう。だから体調がよろしくなければ、吐き気を催すのも無理はない。一体、何キロで飛ばしているのか?150Kmぐらい?そのくせ、社内は乗車が終わると運転手が勝手に明かりを消しちゃってるんで、真っ暗。ひゃっほう!これぞ中国!俄然、楽しくなってしまった。

浦東空港は、巨大で近代的な空港だった。エコノミーですら高いよなと考えながら乗っていたANAのビジネス席には、お金持ちそうな中国人が半数ぐらい占めていそうだった。ああ、上海は変わったなと改めて思った。TVでは見ていたけれども、実感として。

でも、本質的には何も変わらないんじゃないか?案内所の小姐もしかり。去年、仕事で行った北京もしかり。
ちなみに2番バスは終点、静安寺駅(地下鉄駅)までノンストップで19元(約290円)。50分くらい。某有名ガイドブックに書かれている終点ともちょっと違っている。