『ヒミズ』『千億の蟲』

 調子にのって、今日は地元のマンガ喫茶に。『ダリアの帯』を読もうとしたが、なんと大島弓子が一冊もない。岡崎京子もない。信じられない。
 結局『ヒミズ』と『千億の蟲』それぞれ全4巻を読む。
 『ヒミズ』はヒタヒタと生暖かい空気といっしょに迫ってくる絶望、または深くて暗くて底が見えない穴に入り込んでしまったような話。超えてしまった線から、こっち側へ戻りたいのだけれど、主人公の中学生は戻ってこない。
 『千億の蟲』は“賭け”で人生の重大局面を渡っていく話か?六田登は、一線を越えた世界に行っちゃった/行きたい/行こうとする男女の話が多く、始まりは面白そうに思わせてくれるのだけれど、尻切れトンボな終わり方も多いなと再確認。蟲は得体が知れないけれども、心を突き動かす衝動の例えのようだ。『ヒミズ』の主人公にもそれがあれば、戻ってこれたのに。