レッド・ドラゴン

 レッド・ドラゴン [DVD]
 血が吹き出るとか、ホラー、猟奇モノは苦手なのだけれど、アンソニー・ホプキンス扮するレクター博士のキャラは捨てがたく、期間限定100円レンタル商品にエントリーされていたこともあり、恐る恐るチャレンジ。『シティ・オブ・ゴッド』を見る計画は先延ばし。続けて見たら、心臓が持たないと思ったからなのだが…、意外と怖くなかった。その分、華麗かつ変態なレクター臭も少なく。ラルース料理百科事典をチェックしながら、人肉を調理してることを臭わせるところぐらいか。
 多分、原作はレクター、FBI捜査官、レッド・ドラゴン三者それぞれの心に巣くう怪物がいて、それぞれどう飼いならしながら生きていくのか(または、飼いならせず自滅するか)、そのあたりの心理面が描かれているんじゃないかと勝手*1に想像するのだが、それが少なくなってる半面、サスペンスとしてテンポがよく2時間を退屈せずに楽しめた。ただ、割と早い段階で見てる側には犯人を特定する方法がわかってしまうのに、天才捜査官が一向にそこに辿りつかないのがちょっとイライラする。エドワード・ノートン自体は、とてもいい感じだったので脚本がよくないのかな。
 登場する人の中で一番なりたくないのは、レクター博士に獄中の異様な雰囲気の中で、フランス料理をサーブするシェフ。他の人は、嫌なお役目とはいえ博士に対する免疫があったり、自業自得な人だったりだが、シェフの人だけは、博士の協力を取り付けるために、突如呼び出された上、万一、異常に美意識の高い彼の気にさわるようなことをうっかりでもしたら獄中からであろうと何をされるか分からん。怖い怖い。
 そして、レッド・ドラゴンことレイフ・ファインズは、演技派であるのに、なにやらあちこちで脱ぎまくっているイメージがあったが、これでイメージ完全定着。

*1:本当に勝手です。原作読んでないから。