良貨も悪貨も金のたまご

 ここ一ヶ月くらい同じ仕事をしてる。某企業の若手アンケート集計。今日は業務改善に関する各人(無記名)の提案とと、それに対する同じ若手社員たちからの評価(無記名)。
 なんだかさ、どーしてこんな質問の答えにもなっとらんようなご提案*1が書けるのか不思議なんだけど、更に不思議なのはそんな???なご提案の評価に限って若者社員からの評価が高いこと。シャレになっとらん。
 何千件ものご提案の中には、キラリと光るものだって確かにある。あるんだけど、そういうのは見事に無視されてる。評価ってのは、評価者自体に見る目がないと意味がないんだなぁというのがよく分かる。
 こういう職場にいると、本当にデキル子とか真面目に取り組んでる子がバカらしくなるんじゃないのかな。仲間からも評価されないわけだし。まさに良貨が悪貨に駆逐されつつありそうな感じ。これって、今の働く20代に広く言えることなのかね。なんかオヤジが「最近の若いもんときたら…」ってボヤいてるみたいでこんなこと言ってること自体イヤだなーと思うけど。
 不幸にもこんな環境にいる若者がいたらこう言ってあげたい。「周りと違っていても、あなたはそのままで大丈夫」
 ただ私としてはこうも考える。「まだ会社の期待レベル以下だけれども、適切なフォローを与えられるチャンスがあれば立派な戦力になる素養はある」と。さんざん悪口ばかりを書きつらねてきたけれど、見どころはある子達だとは思っている。働く意欲はある。急成長のひずみというか、若者を大量に採用したはいいけれど、現場の舵取りをする指導者がいなさそうで、野放しにされてるだけという感もあるから。
 でも、会社ってとこはそんなに甘くはないんだな。若手社員全員を教育して一定レベルまで引き上げるなんてことは昔の話。今はそんなコストをかけるくらいなら、100人に1人くらい「自分の頭で考えられるやつ」がいればよくて、「自分の頭では考えられなくても」その「自分の頭で考えられるやつ」のマネぐらいはできる要員が10人。残りの89人は、ノータリンでも11人に素直に使われてくれてればそれでいいという考えにシフトしてきている。で、その89人は将来のリストラ要員でもあるわけだ。ま、これは究極の例えではあるが。
 自己責任のかけ声花盛りなニッポン国であるので、ノータリンどもが浮かばれないのもジコセキニーン!なのでありましょうか。うーん。
 そんな大きな話はともかく、単に私が「もったいないババア」だからそう思ってしまうだけなのかもしれないけど。あぁ、もっと使える人材なのにもったいない、もったいないってね。それと、私自身かつて大変な「ノータリン」だったのを、周りになんとか育ててもらって、やっとこさ「それなり」になれたからなのか。それだな。

*1:例:「顧客に再訪してもらうための工夫」に対しての提案「おまじないをかける」とか。