日韓対訳ユーモア傑作選 遠藤周作

 韓国語を勉強しているHalさん土産にと、明洞の外れにある大きな本屋で購入したもの。短編が4編だけ入った薄い本である。万一、教材としては使いにくかったとしても、遠藤周作なら最低限、日本語の楽しい読み物として使えるだろうと考えたからだ。それを今日、読んでみたのだが、あまり面白くなかった。(>Halさんごめん!)
 その理由をツラツラ考えてみたのだが、狐狸庵先生の女性観がちょっといただけない感じがしたからかなぁと。愛すべき愚かさと言うより、単にひどく頭が悪い人たちに描かれていたりで、その頭の悪さ加減をユーモアと言うのなら、婦女子を馬鹿にしてるんじゃないかと思うわけで。
  ちなみに「ユーモア」とは

思わず微笑させるような、上品で機知に富んだしゃれ。ヒューモア。ヒューマー。フモール。(大辞林

 4編中、3編はそれぞれ「放屁」「尿」「立ち小便」がキーワード。上品ではありませんね(微笑)。どうでもいいことなんですが。
 時代が違うといえば、それまでかもしれない。なんだか全体に昔話を見ているような気もする。(昭和30年代の設定だと思うのだけれど)普段、良くも悪くも刺激の強い「ユーモア」に晒され続けているせいもあるかもしれない。
 それともわざわざこんなのばかり選んで一冊にまとめた人のセンスが悪いのか?遠藤周作といえば、沢山の良い作品があるのだし。…と言ったところで私自身は、それらを一冊もまともに読んだことがないことに改めて気づく。うーむ。
 ちなみに他にも色々、日韓学習教材をチェックしたのだが、数は豊富にあれど、中には欧米人が考えるような日本像(異様に頭のでかい花魁みたいな女性とか、ヘンなスモウレスラーとか)が相変わらず載っていたりして、近くて遠い国であることを感じたり。
 また、真面目な初級会話の例文に「オレもそろそろ身を固めなきゃならないと思っているんだけど」「いい女性を紹介しましょう」とかあって、そんな会話、いつするんだー!というツッコミもできるのだけれど、あぁやっぱり儒教の国と思ってしまうのです。
 それと韓英バージョンの「萌え単」(!)が早速、置いてあったけど著作権ってどうなってるのかな、とか。