一年ぶりのメルマガ

 ほぼ毎日、発行人の身の回りの小さな出来事を、ちょっと斜めに観たような、クスっと笑えるような文章に仕立てて送ってくれるメルマガが、なんとなく休止状態になって約一年。ところが、4日前に突然送られてきたメルマガには、不定期発行ながら続けていく旨と、発行人さんがこの一年、色々過酷な状況に置かれていたらしいことが、それとなく綴られていた。
 発行人さん(仮に▲氏とする)とは、ネットを始めた直後に、あるコミュニティ内で知り合いになった。彼以外にも同じコミュニティ内で知り合いになった人たちと、掲示板等でかなりの密度でやり取りをしていた。オフ会も一度、開かれたのだが、彼だけ欠席したので、リアル▲氏は未だどんな人かは分からないし、彼も私も事実上、コミュニティを閉じてしまった今、メルマガが唯一のつながりになってしまった。
 メルマガで言うところの過酷な状況は、彼の職業から来ているのだろうということは何となく想像できた。以前、初めて彼のお仕事を知ったとき、私は素直に「羨ましいなぁ」と思った。世の中にとって非常に価値ある仕事だったから。その価値あるところが、彼に重くのしかかっているようだった。
 彼を少しでも励ますことが出来たらと、久々にメールを送ったところ、返事が来た。とても丁寧なお返事だった。▲氏らしいと思った。やや暗い内容のメルマガを送ってしまったことへのお詫びとか、仕事だけでなく、この一年の間に生まれた子供のこととか。
 結局、リアルでの知り合いではない私に何が出来るわけもなく、励ますなんてこともおこがましいことだった。けれども、バーチャルな、しかも年に何回かやり取りするだけのメールだけの細いつながりでも、まだ繋がっていたことに何となく、よかったなぁと思えた。